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日立がフィジカルAIへの注力を鮮明に、東京駅直結の協創施設に体験スタジオ開設人工知能ニュース(1/2 ページ)

日立製作所がJR東京駅直結の協創施設「Lumada Innovation Hub Tokyo」内に開設する「フィジカルAI体験スタジオ」について説明。同社のAIで社会インフラを革新する次世代ソリューション群「HMAX」で重要な役割を果たす、フィジカルAIに関する日立の先行導入事例やソリューションを体験できる。

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 日立製作所(以下、日立)は2026年3月23日、JR東京駅直結の協創施設「Lumada Innovation Hub Tokyo」(東京都千代田区)で会見を開き、同施設内に開設する「フィジカルAI体験スタジオ」について説明した。AI(人工知能)で社会インフラを革新する次世代ソリューション群「HMAX by Hitachi(以下、HMAX)」で重要な役割を果たすフィジカルAIに関する日立の先行導入事例やソリューションを顧客に体験してもらった上で、その後のディスカッションを通してHMAXの導入などにつなげるきっかけとなる場に位置付ける。同年4月1日に稼働を開始する予定で、初年度は同施設でのフィジカルAI体験から次のステップに移行する顧客数で数十件を目標としている。

「フィジカルAI体験スタジオ」の「人から学び進化するフィジカルAI」をテーマとする小型双腕ロボットを用いたデモの様子。緑色の箱の設置位置を変更しても、それに合わせて腕やハンドの動作を最適化して遅滞なくシャフト引き出している[クリックで再生]
日立の吉田順氏
日立の吉田順氏

 日立のデジタルソリューション群「Lumada」は事業の立ち上げから10周年を迎えた。そしてLumadaの協創拠点であるLumada Innovation Hub Tokyoも2021年4月の開所から約5年が経過し、サービス利用者は8万8000人以上に達している。日立 AI CoE HMAX & AI推進センター本部長の吉田順氏は「2025年末から、人手不足や人件費高騰などの課題を解決する手段としてフィジカルAIが話題になっている。日立は、“カスタマーゼロ”として、顧客より先にフィジカルAIを自身で実装した上で、HMAXブランドでソリューションとして展開しており、既に鉄道、電力、製造業向けで順次展開を進めているところだ」と語る。

 フィジカルAIはヒューマノイドや自動運転車のイメージが強いが、日立は、物理世界をモデル化し、それを理解したAIが動くトータルのサービスによって抜本的な生産性向上を実現することをフィジカルAIと定義している。実際に、鉄道システムの保守コストと消費エネルギーを15%削減したり、物流の生産性を4倍に向上したりといった成果が出ているという。

フィジカルAIを中核とする「HMAX」の概要
フィジカルAIを中核とする「HMAX」の概要[クリックで拡大] 出所:日立

 このフィジカルAIが話題となる中で、HMAXの中核にフィジカルAIを掲げる日立への問い合わせも増える状況にあった。「フィジカルAIを理解できていない、実際にどのように動くのか分からない、自社でどのように活用すればいいのか分からないなどの声があり、まずは体験してもらう場を用意すべきと考え、今回のフィジカルAI体験スタジオの開設に至った」(吉田氏)という。

フィジカルAIに関する顧客からの声
フィジカルAIに関する顧客からの声[クリックで拡大] 出所:日立

 フィジカルAI体験スタジオでは「フィジカルAIについて知る」「実際に動くものを見て理解する」「ディスカッションする」という3つの項目がコンセプトになっている。約1時間のコースで、4つのフィジカルAIの展示を体験した上で、感想をヒアリングし、日立の担当者とディスカッションを行う。このディスカッションを経て、実際に顧客の課題解決をどのように進めるかを検討する次のステップに移行することになる

フィジカルAI体験スタジオのコンセプト
フィジカルAI体験スタジオのコンセプト[クリックで拡大] 出所:日立
フィジカルAI体験スタジオでの過ごし方
フィジカルAI体験スタジオでの過ごし方[クリックで拡大] 出所:日立

 なお、フィジカルAI体験スタジオはスペースに限りがあるため、大型の動くものを体験することは難しい。そこで、鉄道などについてはモビリティセクター傘下の工場であるHitachi Hagerstown Factory(米国メリーランド州ヘイガーズタウン)、製造や物流のロボットを用いたオートメーションについてはコネクティブインダストリーズセクター傘下の「Automation Square HANEDA」(東京都大田区)と「Automation Square KYOTO」(京都市下京区)、エレベーターやエスカレーターなどのビルシステム関連はコネクティブインダストリーズセクター傘下の「日立ビルソリューション-ラボ」(東京都足立区)などと連携して対応する方針である。

フィジカルAI体験スタジオと連携する協創施設
フィジカルAI体験スタジオと連携する協創施設。エナジーセクター傘下の施設との連携は検討中とのこと[クリックで拡大] 出所:日立

 日立は2025年10月の会見で「世界トップのフィジカルAIの使い手」を目指すことを打ち出すなど、フィジカルAIに注力する姿勢を鮮明にしている。フィジカルAI体験スタジオの開設もその一環だが、その他にも施策を展開する予定だ。今回の会見と同日の2026年3月23日には、フィジカルAIを分かりやすく解説するWebページを公開した。同年5月にはフィジカルAIの書籍も刊行する。また、4月1日付で、フィジカルAIの推進組織として、フィジカルAI推進センターを新設する。日立社内でAI関連の活動をセクター横断で推進するAI CoEの下で、数十人規模の人員でスタートし、センター長にはLumada Innovation Hub Tokyoで活動するとともに、データマネジメント、IoT(モノのインターネット)、協創など担当のAIアンバサダーを務める青山朋子氏が就任する。

新設のフィジカルAI推進センターのセンター長には青山朋子氏が就任する
新設のフィジカルAI推進センターのセンター長には青山朋子氏が就任する[クリックで拡大] 出所:日立

 さらに、5月20日には「Hitachi Physical Ai Day」と題したイベントをザ・プリンスパークタワー東京(東京都港区)で開催する予定である。

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