10BASE-T1S対応のPMDトランシーバー、CANのように簡便性とコスト低減を両立:組み込み開発ニュース
NXP Semiconductorsは、業界初の10BASE-T1S PMDトランシーバーとして、車載向けの「TJA1410」と産業、ビルオートメーション向けの「TJF1410」を発表した。AI搭載センサーのデータ統合やOTAアップデートなどの機能を容易に実装可能になる。
NXP Semiconductorsは2026年2月24日(現地時間)、業界初の10BASE-T1S Physical Medium Dependent(PMD)トランシーバーとして、車載向けの「TJA1410」と産業、ビルオートメーション向けの「TJF1410」を発表した。既に量産を開始している。
今回発表したPMDトランシーバーは、従来のイーサネットPHY(物理層)におけるアナログ領域をデジタル領域から分離した構造を採用している。物理媒体での信号送受信に必要なアナログ機能をPMDが担い、デジタル領域をホストMCUやスイッチに統合することで、CAN(Controller Area Network)のような簡便性と拡張時のシステムコストの低減を両立する。
車載向けのTJA1410は、機能安全規格の「ISO 26262 ASIL-B」に準拠。最新のOpen Alliance TC14仕様をサポートし、堅牢なEMC(電磁両立性)性能を備える。低コストなCAN FD用コモンモードチョークで動作できるため、システム全体のコスト削減に寄与する。また、同社の車載用MCUやスイッチと組み合わせることで、エンドツーエンドでセキュアなイーサネット通信基盤を構築できる。
産業向けのTJF1410は、ModbusやRS-485といった従来のフィールドバスから、マルチドロップ型のシングルペアイーサネット(SPE)への移行を支援する。Open Alliance TC14で規定されたノード数やケーブル長のガイドラインを上回る性能を有しており、ビル用回路ブレーカーなど要求が厳しい用途にも対応する。同社のマイコン「MCX A」シリーズと組み合わせることで、産業用途に適したソリューションとなり、システムコストの最適化を図れる。
車載および産業システムではソフトウェアによる機能制御を重視するアーキテクチャへの転換が進んでおり、エッジデバイスまでを共通のイーサネットバックボーンで統合する需要が高まっている。両製品により、配線の簡素化やゲートウェイの削減を図りつつ、AI(人工知能)搭載センサーのデータ統合やOTA(Over-the-Air)アップデートといった先進機能を容易に実装可能になる。
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