高速起動とREST APIで高性能なデータ取得を自動化する測定コア:組み込み開発ニュース
Vector Informatik(ベクター)は、x64およびArm64プラットフォームに対応した、高性能なデータ取得用測定コア「CANape Kernel」をリリースした。高速起動とREST APIによる制御が可能なため、自動化されたロギング用途に適している。
Vector Informatik(ベクター)は2026年1月15日(現地時間)、x64およびArm64プラットフォームに対応し、高性能なデータ取得を可能にする測定コア「CANape Kernel」をリリースしたと発表した。
CANape Kernelは、同社の計測、適合ツール「CANape」をベースに、高性能なデータロギングに特化して開発された。WindowsとLinuxの両環境で動作し、産業用PCからシングルボードコンピュータまで幅広い環境で利用できる。既存のハードウェア資産を生かしつつ、車載ネットワークやADAS(先進運転支援システム)センサーなどの膨大なデータ収集の効率化に寄与する。
リソース消費を最小限に留めたコンパクトな設計ながら、デバイスの初期化から記録開始までを迅速に完了させる。対応プロトコルはXCP、CAN/CAN FD、LIN、FlexRay、イーサネットと幅広く、レーダーやLiDAR(Light Detection and Ranging、ライダー)など各種センサーデータの統合管理も可能だ。SDV(ソフトウェアデファインドビークル)標準やメーカー独自のプロトコルにも柔軟に適合する。
システムの制御はREST API経由で完結するため、自動化ロギング環境や個別プラットフォームにスムーズに組み込める。また、CANapeで作成した測定設定をそのままターゲットへ転送できる他、Webサーバ内蔵のコンソールアプリケーションとしても動作する。操作に関しては、CANapeモバイルUIの活用により、直感的なインタフェースでトリガー設定やビデオプレビュー、コメント入力といった作業を実行できる。
ベクターは、個別のユースケースやハードウェア実装に関するグローバルなサポートを提供している。これにより、開発者は自社の要件に最適なプラットフォームを選定し、強固な測定基盤を迅速に整備できる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
ECUの測定・キャリブレーション・診断向け多機能ツールの新版を発表
Vector Informatikは、ECUの測定やキャリブレーション、診断、フラッシュに使用できる多機能ツールの新バージョン「CANape 16.0」をリリースした。
QNX、Vector、TTTech Autoが車両ソフトウェアプラットフォームを共同開発
QNX、Vector、TTTech Autoは、ソフトウェア統合の高コストで煩わしいプロセスにおける課題を解消するため、車両ソフトウェアプラットフォームの開発および市場提供を共同で取り組む。
CANプロトコルを理解するための基礎知識
現段階においてCANは車載ネットワークの事実上の標準といえる。だからこそ、その特長と基礎をしっかり押えておきたい
知っておきたいLINの基礎知識 その1
自動車のボディ制御に使われる通信プロトコル「LIN」。その基礎から、フレーム構造やネットワークマネジメントといった仕様までを解説する
次世代の車載ネットワーク「CAN FD」とは
セキュリティ対応や自動運転などの車両の高機能化に伴い、より高速な車載ネットワークが求められている。本稿では次世代の車載ネットワークの1つとして考えられているCAN FD導入の背景やプロトコルの概要ついて紹介する。
イーサネットがなぜクルマに必要? 期待される役割は
インターネット経由で誰とでもつながる時代。個人が持つ端末はワイヤレス接続が大半を占めていますが、オフィスなどではいまだに有線によるローカルエリアネットワーク(LAN)が使われています。そのLANの基盤技術の1つとして広く使われているイーサネット(およびTCP/IP)が、次世代の車載ネットワーク技術として注目を浴びています。本稿では注目される背景、役割や規格動向から、関連するプロトコルの概要まで、複数回にわたり幅広く解説していきます。
