民間宇宙ステーションに接続する日本モジュール開発に向けた出資を完了:製造マネジメントニュース
三菱電機と三菱重工業は、日本低軌道社中への出資を完了した。2030年の国際宇宙ステーション運用終了を見据え、民間主導の宇宙ステーションに接続する日本モジュールの開発体制を強化する。
三菱電機と三菱重工業は2026年1月26日、日本低軌道社中による第三者割当増資について、引受手続きおよび出資を完了したと発表した。
日本低軌道社中は、2024年7月に設立された宇宙ベンチャーで、三井物産の100%子会社だ。2025年4月には国際宇宙ステーション(ISS)の「きぼう」日本実験棟や新型宇宙ステーション補給機「HTV-X」の技術を用いて、民間宇宙ステーションに接続する「日本モジュール」の開発を開始している。
ISSは2030年の運用終了が予定されており、その後の民間主導による宇宙ステーションの開発、運営計画が進行中だ。日本低軌道社中は、日本の技術や産業基盤を生かして地球低軌道で新たな経済圏を構築し、日本の宇宙ステーションの利用機会を確保する。
出資に参画する三菱電機は、宇宙機の頭脳に相当する電気モジュールなどの開発を通じて、正確な軌道航法や安全な接近運用を可能にする「ランデブー・ドッキング」に関し、多くの知見と高い技術力を持つ。
また、三菱重工業は「きぼう」やHTV-Xの全体システム、与圧モジュールの開発を担ってきた実績があり、宇宙機器の根幹となるインテグレーションや有人宇宙滞在などの技術を蓄積してきた。
三井物産は、2023年に宇宙航空研究開発機構(JAXA)により、米国商業宇宙ステーションに接続する日本実験棟後継機の概念検討実施者に選定されている。同社はこれまで培ってきた知見を生かし、日本低軌道社中の経営と事業開発を支援する。
4社は今後、国際的な地球低軌道経済圏において日本の存在感を高めるべく、官民連携のもとで、ポストISSの開発事業を推進していく。
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