バッテリー積んでも広さは健在、ダイハツ初の軽EVは守り抜いた積載性能で勝負:電動化(3/3 ページ)
ダイハツ工業は軽商用バンタイプのEV「e-ハイゼット カーゴ」「e-アトレー」を発表。トヨタ、スズキとの共同開発のシステムを採用し、積載性能を死守した。ラストワンマイルの決定版を目指し月間300台からスタートする。
全車両に外部給電機能を標準装備
実用面では、2車種の全ての車両に最大1500WのAC100V外部給電機能(コンセント)を標準装備した。走行中の電動工具の充電や、休憩時の電子機器利用を可能にし、「走るオフィス」としての利便性を高めている。災害時における非常用電源としての役割を含め、社会インフラとしての拡張性も示された。
こうした特性を踏まえ、商用利用に特化したe-ハイゼット カーゴに対し、e-アトレーは高い静粛性と給電能力を背景に、レジャーやワーケーション用途の個人ユーザーもターゲットに据えている。単なる移動手段としての電動化にとどまらずず、多様なライフスタイルに対応する「動く電源」としての価値を付加した形だ。
まずは月間300白台を目標に、市場の反応を確認
メーカー希望小売価格(税込み)は、e-ハイゼット カーゴが314万6000円(2シーター/4シーターとも同価格)、e-アトレーが346万5000円に設定した。販売目標はダイハツとして2車種合計で月間300台、トヨタとスズキへのOEM供給分も含む3社合計では年間で約1万台を掲げる。
井上氏は販売目標台数について「単に台数を追うのではなく、まずはラストワンマイルの現場で本当に使い物になるのか、しっかりと確信を持って広めていくためのステップ」と説明した。普及に向けた基盤づくりとして、ダイハツは全国の拠点に専門知識を備えた専任スタッフ「電道師(でんどうし)」を配置する。補助金申請のサポートから充電インフラの設置相談などの体制を整えた。初期段階では、保守/点検体制が整ったエリアや、電動化への意欲が高い法人顧客を中心に、地域密着型のサポートが届く範囲で着実に導入していく姿勢を見せた。
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