日立がCIセクターの体制を刷新、新たなセクターCEOにCOOの網谷憲晴氏が就任:製造マネジメントニュース
日立製作所(以下、日立)は2026年1月29日、2026年4月1日付で実施する事業体制変更について発表した。
日立製作所(以下、日立)は2026年1月29日、2026年4月1日付で実施する事業体制変更について発表した。
経営計画「Inspire 2027」の中核である「Lumada 3.0」の成長にフォーカスするため、コネクティブインダストリーズ(CI)セクターの体制を刷新する。これまで、同セクターのCOOとして事業のデジタル化をけん引してきた執行役専務の網谷憲晴氏が、新たにセクターCEOに就任し、経営をリードするとともに、CIセクター内の現行の3つのビジネスユニット(BU)を再編/強化する。
網谷氏はCIセクターCEOとともに、これまで務めてきたアーバンシステムBU(2026年4月1日付でアーバンソリューション&サービスBUに改称)のCEOと日立ビルシステムの取締役会長を兼務する。
網谷氏は、1992年4月に日立に入社。2015年11月に交通システムインテグレーションディレクタに就任し、2018年4月には鉄道BUのCOO兼CDOに昇格している。その後、2019年10月に戦略企画本部経営企画室長に就任し、2022年4月には執行役常務となっている。2024年4月に日立ビルシステムの代表取締役社長となり、2025年4月から現職の執行役専務、CIセクターのCOO、アーバンシステムBUのCEO、日立ビルシステムの取締役会長を務めている。
CIセクターの事業体制変更では、Lumada 3.0におけるデジタライズドアセットを強化するため、インダストリアルプロダクツBUを設置する。日立が市場優位を構築できる産業向けプロダクトの開発と拡販に経営資源を集中し、Lumada 3.0の成長を加速する。また、フィジカル AI(人工知能)の進化をLumada 3.0のデジタルサービスの事業機会へとつなげ、モビリティやエナジー領域で導入実績を積み上げているAIで社会インフラを革新する次世代ソリューション群「HMAX by Hitachi」(以下、HMAX)を産業領域で強化するため、インダストリアルソリューションBUを設置する。同BUが、新たにデジタルシステム&サービス(DSS)セクターに移管/強化する産業向けDX(デジタルトランスフォーメーション)部門と緊密に連携することで、産業分野向けのHMAXである「HMAX Industry」の成長を加速する。
さらに、AI需要の急拡大を背景に成長が続くデータセンターや半導体製造などのミッションクリティカル領域における事業機会を捉えるため、アーバンソリューション&サービスBUを設置する。同BU内のグループ各社が保有するケイパビリティを統合することで、新たな事業機会を捉え、成長を追求する。
日立 代表執行役 執行役専務の加藤知巳氏は、同日発表された2025年度第3四半期の決算会見において「デジタルサービス事業の成長、HMAXの導入と拡大を推進に向けて、最適な体制とした。3つのBUは、Lumada事業成長戦略の注力分野に沿ってくくり直したものだ。インダストリアルプロダクツBUは、Lumada 3.0におけるデジタライズドアセットを強化するため、UPS(無停電電源装置)などのプロダクトを持つ産業機器事業を集約した。インダストリアルソリューションBUは、フィジカルAIの進化を捉えた、産業領域でのHMAXの成長をけん引するために、先進技術を持つ日立ハイテク、エンジニアリング技術を持つ水・環境事業、インダストリアルオートメーション事業を含めた。そして、アーバンソリューション&サービスBUは、データセンターや半導体製造装置の事業機会を捉えるため、ビルシステム事業、空調事業を持つ日立グローバルライフソリューションズ、フィールドサービス事業を持つ日立パワーソリューションズを含めた」と説明する。
新たにCIセクターのCEOに就任する網谷氏については「CIセクター初となるHMAXであるビルのファシリティマネジメントを行う『BuilMirai』の開発と市場投入を主導した。これまでの経験を生かして、CIセクターのLumada戦略を推進するリーダーとして最適な人事だと考えている」(加藤氏)という。なお、現CIセクターCEOのブリス・コッホ氏は2026年3月31日付で退任となるが、当人から退任の申し出があったことによるものだとしている。
先述した通り、DSSセクターの体制強化の一環として、CIセクターに属していた産業向けDX部門をDSSセクターへ移管し、社会BUと金融BUを統合したデジタルサービスBUとして一体運営を行う。これにより、エネルギー/交通/産業/通信/公共/金融と、日立グループが従事する社会インフラのあらゆる領域で、AIを活用したフロントエンジニアリングやデジタルサービス、さらにはミッションクリティカルなシステムインテグレーションを提供する。
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