2026年はPLMの年になるか、BOPが埋めるモノづくりデジタルスレッドの最後のピース:MONOist 2026年展望(2/2 ページ)
PLMを再整備する動きが活発化している。ポイントになっているのが、今まで普及が進んでいなかったBOPの管理だ。これにより、設計から生産準備、生産までモノづくり工程を一元的にデジタル空間で再現できるようになり、“真の製造ライフサイクル管理”の実現に近づきつつある。
製造業PLMが価値を発揮する4つのユースケース
では、この製造業PLMの標準化はどのような価値を生むのだろうか。IVIでは、製造業PLMが価値を発揮する4つのユースケースとして以下を示している。
- 設計変更に対応した設備切り替えの効率化
- 設備設計による製品バリエーション管理
- 生産拠点の統廃合や移管の計画立案
- ライフサイクル単位の投資収益計算
例えば、「設計変更に対応した設備切り替えの効率化」については、BOPが整備されていなければ、設計部門で設計変更を行った際に、製造工程側にどのような影響が生じるかの把握が難しく、各種調整作業などが必要だ。しかし、BOPにより製品の設計情報と合わせて、それにひも付く工程や設備が一元的に管理できていれば、変更があってもデジタル上でシミュレーションなどを行い、効率的に切り替え指示などが行える。
また、バリエーション管理や拠点の移管なども、BOPが標準化され基盤となるデータやモデルが整理されていることで、柔軟に対応できるようになる。
また、ものづくり太郎氏に連載いただいている「ものづくり太郎のPLM講座」では、海洋エレクトロニクス機器の総合メーカーである古野電気のBOMとBOPの連携による事例が紹介されている。
古野電気では、PLMソフト上のE-BOM情報をXVL上に展開し、XVL上でM-BOMを作成。同時に現場の制約を確認しながらBOPを作成し、3Dビューワで作業指示を確認できるようにしているという。一連のシステムで、設計情報(BOM)と工程情報(BOP)を1画面で確認できるようになったことで、設計者と生産技術者の連携なども取りやすくなり、設計の改善などが進んだ他、従来調整に必要だった作業時間などが削減でき、本質的な改善にかける時間を増やすことができたとしている。
製造業の人手不足が進む中、より少ない人員数でモノづくりの品質や価値を維持していくためには、実際にモノや人を動かす前にできる限り問題を解決するフロントローディング化は欠かせない。さらに、将来的にAIの支援を借りることを想定するのであれば、その学習の源泉として、プロセスを標準化してデジタル上で表現できるようにし、それを基にデータを蓄積することは欠かせない。これらを背景に、BOPを含めたPLMの再整備があらためて今始まろうとしている。
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