日本は、中国はどうなる? 半導体製造装置市場の見通し:SEMICON Japan 2025(2/2 ページ)
SEMIジャパンは記者会見を開き、「SEMICON Japan 2025」の概要などを発表。本稿では、SEMIのSEMI市場情報担当チームのシニアディレクターであるClark Tseng氏が発表した半導体製造装置市場の見通しについて説明する。
国内のパワー半導体への投資割合は減少か
半導体前工程装置市場をセグメント別に見ると、ロジックファウンドリーでは今後2年間は力強い伸びを示すと見る。「2nmのゲートオールアラウンド(GAA)など最先端デバイスの生産が増えていくためだ」。DRAMはHBMへの設備投資によって、15%前後の成長が続くと見る。NANDも成長を続けるが、「生産能力の拡大ではなく、次世代技術への移行が主な投資要因となる」。
今後の半導体製造装置市場を地域別に見ると、最大市場の中国でも安定した投資が続くと見られ、台湾でも先端ロジックを中心に300億ドル規模の投資が行われる見通しだ。韓国、日本も引き続き健全に成長し、欧州、北米は2026年から回復が始まるとした。
日本においては、装置や工場を含めたファブ投資が2026年から拡大し、2029年には180億ドルに上ると予想する。ロジック関連投資の割合が高まる一方で、アナログ/パワー半導体への投資は減少を見込む。「パワー半導体における中国との競争および300mmウエハーへの移行が要因となる」。
AIデータセンターの建設が相次ぐ一方で、メモリ不足が指摘されている。「AIサーバはHBMもたくさん使用する。そうすると標準的なDRAMにまで生産キャパシティーが回らなくなってしまう。2025年はDRAMだけでなく、HBM、NAND、HDDまで供給が逼迫している。この状況は2026年まで続くと見ている。AI需要の力強さを鑑みると、メモリ全体として“スーパーサイクル”に入ってきており、この状況は2030年ごろまで衰えることはないというのが現在の見通しだ」。
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