ヒューマノイドがリングで激突!? ユニツリー「G1」がキックボクシングで対決:2025国際ロボット展
TechShareは「2025国際ロボット展」で、Unitree Roboticsのヒューマノイドロボット「G1」のキックボクシング実演を披露した。身長130cmの機体がリングで鋭いパンチやキックを繰り出す。
TechShare(テックシェア)は「2025国際ロボット展(iREX2025)」(2025年12月3〜5日、東京ビッグサイト)において、中国ロボットメーカーUnitree Robotics(ユニツリーロボティクス)のヒューマノイドロボット「G1」を出展した。ブースでは、G1同士によるキックボクシング実演を披露した。
キックボクシング実演で使用したG1は、身長約130cm、体重約35kgでコンパクトな汎用ヒューマノイドロボットである。機体には最大43個の関節モーターを搭載し、体のひねりや開脚など柔軟な動作も可能。環境認識には深度カメラと3D LiDARを採用しており、全方位360度のセンシングを実現している。機体制御の中核として、ユニツリーロボティクスのAI(人工知能)を用いた開発プラットフォーム「Unitree Robot Unified Large Model(UnifoLM)」を搭載。G1はこのプラットフォームを通じて模倣学習や強化学習などの二次開発を行えることが特徴で、TechShareも代理店として二次開発を支援する体制を強化している。
今回、実演に使用したG1は、ユニツリーロボティクスが事前にキックボクシング動作の二次開発の二次開発を施したもの。TechShareのエンジニアがコントローラーを操作し、フェイスガードとグローブを装着した2体のG1がリングイン。リング内を細かく動きながら、鋭いパンチやキックを繰り広げた。「標準仕様では、ここまでの細かい動きは難しいが、模倣学習などによって高度な動作が可能になる」(TechShareの説明員)
TechShareはユニツリーロボティクスの日本総代理店として、同社のG1(開発版)の国内独占販売権を取得しており、2025年12月1日より新製品「Unitree G1-D」の国内予約販売を開始した。G1-Dはユニツリーロボティクス初となる車輪で移動するヒューマノイドロボットで、データ収集からAIモデルの訓練までをサポートするソリューションとセットで提供される。
TechShareの説明員は今回の出展について、「当社は単なる販売代理店にとどまらず、社内エンジニアによる技術サポートや二次開発までを請け負っている点が強みだ」と語る。同社では今後も、深層学習や模倣学習を活用したAIベースのロボット開発支援を強化していく方針だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
GMOはAIとロボット産業の仲人を目指す、「ヒューマノイド熊谷正寿」も登場
GMOインターネットグループ(以下、GMO)が東京都内でAIとロボティクスをテーマとするイベントを開催。同社 代表取締役 グループ代表の熊谷正寿氏は「生成AIとロボティクスは人類史上最大の技術革命」と訴え、ヒューマノイドに注力する方針を示した。
ヒューマノイドの社会実装阻む3つの壁、「フィジカルデータ生成センター」で打破
INSOL-HIGHが東京都内でヒューマノイドロボットの未来戦略を議論するミートアップイベント「Humanoid Robot×Japan's Future Meet UP」を開催。ヒューマノイドロボットの社会実装を加速する「フィジカルデータ生成センター」構想などについて説明した。
ヒューマノイドロボットがいよいよ現場に? 山善が物流現場での試験導入を公開
山善が、物流現場の人手不足解消に向け、ヒューマノイドロボットの本格試験導入を公開。デモでは初見の商品も難なくピックした。今後は「フィジカルデータ生成センター」を核に学習データを量産し、2026年度内の本格導入を目指す。
フィジカルAI研究を支援するロボット向け模倣学習キットを発表
ugoは、人の動作デモンストレーションをロボットに模倣学習させる環境を容易に構築できる「AIロボット向け模倣学習キット」を発表した。研究者は高品質な訓練データを短時間で収集し、迅速に開発を進められる。
国産ヒューマノイド開発のKyoHAに参画企業続々、2026年春にベースモデル完成へ
京都ヒューマノイドアソシエーション(KyoHA)が一般社団法人化を果たし、新たな参画企業を迎え入れるなど活動を拡大している。ヒューマノイドのベースモデルの完成は2026年春ごろ、災害対応型/研究用モデルの公開は同年末を予定している。


