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ガチャ、ガチャと連続して紙をとじられる「ホチキス」の仕組み100円均一でモノの仕組みを考える(15)(1/3 ページ)

本連載「100円均一でモノの仕組みを考える」では、実際に100円均一ショップで販売されている商品を分解/観察して、その仕組みや構造を理解しながら、製品開発の過程を考察していきます。連載第15回のお題は、“紙をとじる”というシンプルな用途で広く使われている身近な文房具「ホチキス」です。

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こんな人にオススメの記事です!

100円均一でモノの仕組みを考える
  • モノの仕組みや構造、分解に興味がある方
  • 設計スキルの向上を図りたい方
  • 自社製品の差別化/競争力アップを目指したい方

 本連載は、実際に100円均一ショップで販売されている商品を分解/観察し、その仕組みや構造を理解して、製品開発の過程を知ることを目的としています。前回は、幅広い分野で利用されている手軽な工具「グルーガン」の仕組みを取り上げました。

テーマ15:ホチキス

 連載第15回となる今回は、“紙をとじる”という非常にシンプルな用途で活躍する身近な文房具「ホチキス」を取り上げます(図1)。

今回のお題「ホチキス」のイメージ
図1 今回のお題「ホチキス」のイメージ[クリックで拡大] 出所:iStock/Anita Handayani

 ホチキスは、本体を握ると金属針(ホチキス針)が下り、紙を貫通し、裏で折り返されて固定されるという流れで紙をとじます。この一連の動作は、レバー操作に連動して自動的に行われます。

 この動作の中で、さまざまな機構が連携して機能を成立させています。シンプルながら機構要素が満載のホチキスを分解しながら、その構造を探っていきましょう。

今回筆者が100円均一ショップで入手した「ホチキス」
図2 今回筆者が100円均一ショップで入手した「ホチキス」[クリックで拡大]

ホチキスの部品構成

 日常で何げなく使うホチキスですが、その内部は非常に綿密に設計された機械要素の集合体です。まずはその部品構成を見ていきましょう(図3)。

「ホチキス」の部品構成
図3 「ホチキス」の部品構成[クリックで拡大]

マガジン

 ホチキス針を装填(そうてん)するスペースです。

プッシャー

 ホチキス針を押し出すための部品です。

スプリング

 スプリングの力によってプッシャーを前方に押し出します。

ドライバー

 押し下げ板のことで、マガジンから押し出された針を紙に打ち込むための金属パーツです。

クリンチャー

 本体下部にある、紙を貫通したホチキス針の先端を曲げるための台です。

ホチキス針

 紙を貫通し、曲げられて固定される金属製の針です。

ハンドル

 上部の持ち手で、力を与える側です。

クリンチャーアーム

 下部の持ち手で、力を受ける側です。

 このように部品はそれぞれシンプルですが、これらを最適に組み合わせることで毎回確実に“紙をとじる”動作が実現されています。各部品は互いに連動しており、どれか1つ欠けても正常に動作しません。

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