設備保全業務を高度化、横河電機が狭い所も設置できる4ch無線振動センサー:FAニュース
横河電機は、産業用IoT向け無線ソリューション「Sushi Sensor」XSシリーズの新製品として、4ch無線振動センサーを発表した。故障箇所や原因の特定支援、保全効果の可視化を通じて、保全業務のDXに寄与する。
横河電機は2025年10月30日、産業用IoT(モノのインターネット)向け無線ソリューション「Sushi Sensor」XSシリーズの新製品となる4ch(チャンネル)無線振動センサーを発表した。2026年2月に国内販売を開始する。
同センサーは、無線通信モジュールと振動測定モジュール、最大4個を接続可能な振動ピックアップで構成される。無線通信部と測定部が分離しており、振動ピックアップが5mのケーブルで接続可能なことから、高温環境や狭いスペースなどこれまで困難だった場所にも設置できる。また、監視対象が従来の低周波振動に加え、ベアリングやギアなどの高周波振動まで拡大している。
1台で4チャンネルの測定に対応し、時系列で取得した波形データを同社のクラウド型「広域モニタリングシステム」(別売)の波形分析機能でFFT(高速フーリエ変換)解析することにより、故障した場所や原因の特定をサポートする。波形分析機能は、2026年3月に提供開始予定だ。
解析結果は、広域モニタリングシステムの振動ダッシュボードで確認でき、設備状態の分析や評価に活用できる。これらの機能により、設備の予知保全を高度化し、保全業務のDX(デジタルトランスフォーメーション)に寄与する。
また、広域モニタリングシステムがLoRaWANのダウンリンク機能に対応しているため、遠隔からでも同センサーの設定変更ができる。
主な用途は、石油、化学、鉄鋼、電力、紙パルプなどのプラントで用いられるポンプ、モーター、ファンなどの振動および温度監視。クラウドおよびオンプレミス構成の双方に対応する。
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