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大同特殊鋼がチタンの生産能力を20%増、医療用の需要に対応:工場ニュース
大同特殊鋼は、チタン合金の生産能力を拡大するため、チタン用の真空アーク再溶解炉を2基新設する。一連の投資総額は41億円で、2030年にはチタンの生産能力を現状比20%増とする。
大同特殊鋼は2025年10月27日、チタン合金の生産能力を拡大するため、知多第2工場で(愛知県知多市)チタン用の真空アーク再溶解炉を2基新設すると発表した。一連の投資総額は41億円で、2030年にはチタンの生産能力を現状比20%増とする。
真空アーク再溶解炉は、溶解した鋼塊を消耗電極として通電し、高真空下でアーク発熱する溶解炉だ。高い清浄度と均質な組成を確保できる。同社は、愛知県知多市の知多第2工場で既にチタン用の真空アーク再溶解炉の1基目を稼働しており、2基目は2026年7月に稼働開始を予定している。
優れた耐食性や生体適合性を持つチタン合金は、高度医療ニーズの高まりにより、中長期的な需要拡大が見込まれる。同社は、2030年にはチタンの受注量を2018年比の約2倍にし、医療用チタン製品の世界シェアを現状の約10%から2030年に20%とすることを目指している。
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