オムロン制御機器事業は「復活あるのみ」、全ては顧客起点で:製造マネジメントニュース(3/3 ページ)
オムロンは、2030年度を最終年度とする「中期ロードマップ SF 2nd Stage」について説明した。デバイス事業を軸に競争力の立て直しと“GEMBA DX”実現に向けた投資シフトを進める。
代理店との関係再構築「シェアを取り戻す」
SF 2nd Stageと合わせて発表した2026年度第2四半期(2025年4〜9月)の決算では、売上高が前年同期比5%増の3934億円、営業利益が同7.8%減の177億円、株主に帰属する当期純利益は90億円だった。顧客基盤の着実な回復に加え、半導体、二次電池業界での投資需要を捉えた制御機器事業に加え、社会システム事業、電子部品事業、データソリューション事業は増収増益だが、ヘルスケア事業は減収減益だった。
制御機器事業の2026年度下期の見通しについては、半導体では生成AI需要に伴う投資がグローバルで拡大し引き続きに堅調に推移する見通しの他、中国で先端半導体の国産化に向けた投資が拡大し、想定を上回る好調な動きが続くと見ている。「高原状態よりももう少し強い動きだ。中国の先端半導体への投資は依然強い」(オムロン 執行役員専務CFOの竹田誠治氏)。一方、自動車では、米国の関税政策の影響で日本では投資縮小の動きがみられ、二次電池も中国メーカーの投資が一巡し、期初想定より需要減速すると見る。
制御機器事業の収益を支えている要素の1つが、グローバルにおける“その他業界”の回復だ。コロナ禍で遅れていた新製品投入に加えて、代理店との関係強化も貢献しているという。
「コロナ禍で乱れた代理店との信頼関係をグローバルで作り直すことが一番のベースになる。代理店は、その他業界という裾野が広い顧客基盤にリーチしている。その代理店と戦略を統合し、代理店が売りやすい新製品をリリースしている。これまでやれていなかったことをもう一度やり直し、(失った)シェアを取り戻している」(竹田氏)
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