検索
ニュース

言語の壁をぶっ壊す! 三菱電機が世界初の「しゃべり描き翻訳」を発売へ製造現場向けAI技術(1/2 ページ)

三菱電機は生産現場における外国籍従業員との円滑なコミュニケーションを実現するとともに作業品質や安全性の向上などに貢献する「MelBridge(メルブリッジ) しゃべり描き翻訳」を発売すると発表した。

Share
Tweet
LINE
Hatena

 三菱電機は2025年10月8日、東京都内で記者会見を開き、生産現場における外国籍従業員との円滑なコミュニケーションを実現するとともに作業品質や安全性の向上などに貢献する「MelBridge(メルブリッジ) しゃべり描き翻訳」を発売すると発表した。同製品はリリース当初では計22言語に対応し、月額制のサブスクリプション型サービスとして同年11月3日に発売予定である。

しゃべり描き翻訳のデモンストレーションの様子。話した言葉を指でなぞった場所に文字として表示し、同時に翻訳できる[クリックで再生]

外国籍従業員との「言語の壁」を克服するメルブリッジシリーズ

 少子高齢化に伴う労働人口不足の深刻化により、製造現場を問わずさまざまな場所で外国籍従業員が増えており、言語の壁によるコミュニケーション不通が問題になっている。この課題を解決するために、生産現場における外国籍従業員とのコミュニケーションを円滑にする「メルブリッジシリーズ」が誕生した。

外国籍労働者の推移について
外国籍労働者の推移について[クリックして拡大]出所:三菱電機

 メルブリッジシリーズの第1弾として、朝礼などの「1対多」のコミュニケーションを円滑にする「MelBridge 翻訳サイネージ」を2025年4月にリリースしている。そして同シリーズ第2弾として、「1対1」の場面でコミュニケーションを円滑にするしゃべり描き翻訳を展開していく。

三菱電機の松原勉氏
三菱電機の松原勉氏

 今回の新製品開発に当たり、三菱電機の製造現場7拠点に勤める従業員80人以上を対象に、現場のコミュニケーションで感じている課題についてヒアリングを実施した。その結果、現場の班長からは「書類関係の情報伝達が難しいと感じている」「実際の作業指導の際に、相手に言葉が正確に伝わっているかが分からない」という意見が出た。一方、外国籍従業員は「専門用語や細かい作業指示が分からない」「社内で実施する品質教育や安全に関するテスト、年末調整の書類記入が分からない」という問題を抱えていることが分かった。

 これらの課題を解決するために誕生したしゃべり描き翻訳は、話した言葉を指でなぞった場所に文字として表示し、同時に翻訳内容も併せて表示できる「しゃべり描き機能」を搭載した製品である。三菱電機 ビジネスイノベーション統括事業部 事業推進部 しゃべり描きプロジェクトグループ プロジェクトマネージャーの松原勉氏は「『しゃべり描き』は世界初の技術であり、図面やイラスト、写真を活用してスムーズな会話を可能にする。これらの機能は他の一般的な翻訳ツールでは代用できない」と語る。

しゃべり描き翻訳の主な機能
しゃべり描き翻訳の主な機能[クリックして拡大]出所:三菱電機

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

       | 次のページへ
ページトップに戻る