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パナソニックが10年ぶりに彦根工場を公開 最新のモノづくりに迫るスマート工場最前線(2/4 ページ)

パナソニックは報道関係者にシェーバー事業メイン工場である彦根工場内のモノづくりを公開した。本稿では、同工場で「伝統と未来の融合を図るAI活用と自動化」をテーマに取り組むモノづくり変革の一部を紹介する。

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製造現場でも多様な自動化を実施

 シェーバーの駆動源に使用するリニアモーターの製造工程では、一度に8工程分の作業が可能な「新自動機」を導入して生産できる品番を増やし、従来の設備と比べて生産能力/効率が10%向上した。同設備は社内のマーケティングや商品設計、製造といった多様な部門のメンバーと連携しながら開発をしている。

リニアモーター 新自動組立機について
リニアモーター 新自動組立機について[クリックして拡大]出所:パナソニック

 「ラムダッシュ パームイン」(以下、パームイン)の組立ラインでは、協働ロボットと作業員が一体となって製品を組み立てている。パームイン組立ラインは、グリップ式のシェーバー組立ラインと比べて工数を削減しており、ラインの形も見直している。具体的には、グリップ式シェーバーの組立工程が23工程なのに対して、パームイン組立工程が19工程であり、両工程を比べた際に20%の工程を削減している。組立ラインについては、グリップ式は一直線であったが、パームインはU字型を採用している。これにより、ライン面積30%削減しながら、生産性を大きく向上させている。

グリップ式シェーバーとパームインの組立ライン比較
グリップ式シェーバーとパームインの組立ライン比較[クリックして拡大]出所:パナソニック

 パームインの組立ラインはテクノロジーを組み合わせて効率化を図り、作業の抜け漏れが起こらない仕組みを構築している。ラインの初めでは、協働ロボットが半完成品と呼ばれる部品をトレイから取り出し次工程に流す。その後ははんだ付け工程、自動電流検査工程、梱包作業という流れで生産を進めていく。電流検査工程では、協働ロボットを活用して自動的に製品を搬送してもらい、検査を自動化している。梱包作業では、作業支援カメラを活用し、梱包時に取扱い説明書や部品が抜け漏れなく入っているかを確認し、最後の箱詰め作業では重量を確認して作業の抜け漏れがないかを確認している。また、同工場内ではさまざまな品番のシェーバーを生産しているため、製品サンプルを確認する場所が工場内には存在している。

彦根工場のパームイン組立ライン
彦根工場のパームイン組立ライン[クリックして拡大]
シェーバーの本体見本一覧
シェーバーの本体見本一覧[クリックして拡大]

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