Autodeskがテキストプロンプトに基づきCADオブジェクトを生成するAI技術を発表:CADニュース
米Autodeskは、年次カンファレンス「Autodesk University 2025」において、CADオブジェクトや産業/建築システムを直接推論できる生成AI技術「ニューラルCAD基盤モデル」を発表した。
米Autodesk(オートデスク)は、米国テネシー州ナッシュビルで開催中の年次カンファレンス「Autodesk University 2025」(会期:2025年9月16〜18日[現地時間])において、CADオブジェクトや産業/建築システムを直接推論できる生成AI(人工知能)技術「ニューラルCAD基盤モデル」を発表した。
2026年から建築/エンジニアリング/建設業界向けクラウドの「Autodesk Forma」および製造業向けクラウドの「Autodesk Fusion」に統合され、商用提供が開始される予定だという。
仕様やラフスケッチ、写真など多様な表現手段が必要とされる設計プロジェクトの初期段階において、迅速かつ反復的にアイデアを探索できるツールが求められている。ニューラルCAD基盤モデルはこうした要求に応えるものであり、概念設計から詳細設計へのシームレスな橋渡しを可能にし、クリエイターやエンジニアの創造性を大きく広げることに貢献する。
ニューラルCAD基盤モデルは、従来のパラメトリックCADが担ってきた「ジオメトリ作成」や「データ変換」のアプローチを超えて、設計と製造のプロセス全体をより直感的かつ協調的に結び付けるものであるという。言語やスケッチ、3Dデータ、業界特有のワークフローを理解できるように設計されており、将来的には企業独自のデータやプロセスに合わせたチューニングにも対応する計画だ。
エンジニアは、ニューラルCAD基盤モデルをベースとする「Neural CAD for Geometry」を通じ、テキストプロンプトを介してCADオブジェクトを生成できるようになる。
ニューラルCAD基盤モデルは、同社が2018年に設立した「AI Lab」の研究成果によるものであり、効率的な工作機械のパス設計や標準的な建物レイアウトの生成なども可能にするという。
既に、Autodesk Fusionには生成AI技術を活用した機能として、図面に自動で制約を付与する「スケッチ自動拘束」が実装されており、短期間で進化を遂げながら、エンジニアの作業効率化に役立てられている。今回発表したニューラルCAD基盤モデルについても同様に、短期間での実用化と改善に取り組むとしている。
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