CECとソニーセミコン、荷役時間を自動記録して作業効率化を支援するシステム提供:製造ITニュース
シーイーシーは、ソニーセミコンダクタソリューションズと協業し、バース管理システムの提供を開始した。トラックの荷待ちや荷役時間を自動で記録できるため、2時間以内ルールの順守や作業効率化に貢献する。
シーイーシーは2025年9月4日、ソニーセミコンダクタソリューションズ(SSS)と物流DX(デジタルトランスフォーメーション)ソリューションでの協業を開始したと発表した。同日から、物流作業を効率化するバース管理システムを提供する。
提供するシステムは、シーイーシーの物流効率化ICT「LogiPull(ロジプル)」と、SSSのエッジAI(人工知能)センシングプラットフォーム「AITRIOS(アイトリオス)」を連携したものだ。
同システムでは、トラックがバース(荷役作業スペース)を入退する際にAIカメラがナンバープレートを認識し、到着から退場までの流れと作業実績を自動で記録する。これにより、手入力の手間やミスを減らし、記録の正確性を高める。
提供に当たっては、物流企業の規模に応じて柔軟に対応する。小規模な現場は標準パッケージで導入でき、大規模な物流環境ではシステムを構築してカスタマイズできる。車番によるゲート制御やサイネージ連携などの拡張も可能だ。
物流業界では2024年4月、時間外労働の上限規制が適用され、荷待ちや荷役作業を2時間以内に収める「2時間以内ルール」の順守が求められている。両社の連携によるバース管理システムにより、荷待ちや荷役作業時間を自動で正確に記録できるため、待ち時間や作業時間の短縮に貢献する。
同システムは、初期費用が105万8400円(カメラ4台と通信環境、LogiPullライセンス料を含む)で、月額利用料が17万8400円となる(いずれも税別)。シーイーシーは同システムを広く提供し、2030年までに売上30億円を目指す。
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