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進化を続ける国産電子実験ノート、年1バージョンアップで機能を追加/改善研究開発の最前線

西川計測は純国産の電子実験ノート「NEXS」を「JASIS 2025」で展示した。自由な入力方法や多様な機器との連携、日本語対応といったNEXSの強みの他、最新のバージョンアップで追加された機能について紹介する。

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 西川計測は、「JASIS(Japan Analytical & Scientific Instruments Show)2025」(2025年9月3〜5日、幕張メッセ)に出展し、国産の電子実験ノート「NEXS(ネクサス)」を披露した。

最近はMicrosoft Office 365との連携機能を実装

 NEXSは、試験/分析業務を行っている研究開発や品質管理の部門などに向けの製品だ。Webアプリケーションベースで、データやナレッジなどさまざまな情報を、PCやタブレット端末などを用いて電子化できる他、データベースへの一元管理やデータの共有、検索、活用も行える。西川計測の説明員は「基本はWebアプリケーションベースだが、オンプレミスのタイプも選べる」と語った。

「NEXS(ネクサス)」の画面
「NEXS(ネクサス)」の画面[クリックで拡大]

 同製品の大きな特徴は、「自由度の高さと直観的な操作感」「多種多様なインタフェースへの対応」「標準機能による試験機器/システム連携」だ。

 「自由度の高さと直観的な操作感」に関しては、白紙に書き込むような入力方法や入力規則を設けたテンプレートなどを用いて、業務に合わせて自由にノートを作れる。入力項目も、多様なコンポーネントから自由に選択/設定でき、手書きで図や注釈も入力できる。

 「多種多様なインタフェースへの対応」については、ペンでの手書きやテキスト、表計算、音声の入力、写真や動画の取り込みなど、さまざまなインタフェースを搭載している。

 「標準機能による試験機器/システム連携」に関しては、ユーザーの試験機器や既存システムとの連携用インタフェースを標準で実装している。この連携により、業務効率や正確性/信頼性の向上、ヒューマンエラーの削減、データの共有/活用、コスト削減などの効果が得られる。さらに、昨今ニーズが増えているマテリアルズインフォマティクスで活用する実験データなどの集約にも使える。

 また、ユーザー権限の管理や編集のロック、公開/非公開の設定、監査証跡など、セキュリティや権限の機能も備えている。顧客の要望/課題に応じて、システムの連携や機能追加でカスタマイズにも応じる。西川計測の説明員は「外資系の電子実験ノートでは英語表記のものが多くある中、国産で日本語に完全対応しているため、国内のユーザーにとって使いやすい」と話す。

 基本機能では、ノート用機能(ノートプロジェクト)として、テンプレート(定形様式)、個別権限管理、公開/非公開、自由記載(非定形様式)、入力コントロール(リッチテキスト、表計算、チェックボックス、リスト、リンク、動画、静止画、音声の入力、ファイル添付)、ページ分けを備えている。試験機器連携機能として、データ自動取り込み、ファイル自動添付、レポート取り込みを搭載している。

 これらの他に、ダッシュボード、ワークフロー/電子承認、通知(メッセージ/メール)、ユーザー/権限/証跡管理、ファイル出力、システム連携を基本機能として有している。

NEXSの機能
NEXSの機能[クリックで拡大] 出所:西川計測

 ダッシュボード機能は、NEXSに集約した実験記録を見える化し、担当者や部署、組織全体の進捗状況を確認しやすくする。キーワードやワークフローの状況に応じて絞り込め、対象情報へのアクセスを容易が容易だ。

 ワークフロー/電子承認機能は、作成したノートに対してワークフロー管理(申請、承認など)を行える。研究開発の進捗状況も一目で確かめられるため、作業の滞留などを防げ、業務のスピードアップを図れる。多段承認などの設定も可能で、顧客の業務へ柔軟に対応する。

 西川計測の説明員は「年に1回必ずバージョンアップを実施しており、顧客のフィードバックを元に改善/機能追加がスピーディーに行われている。最近のバージョンアップでは、Microsoft Office 365との連携機能などが追加された。今後は化学式を記述できる機能の追加も予定している」と述べた。なお、NEXSは製薬業界を中心に導入実績を増やしているという。

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