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川崎重工がデータ活用クラウドを導入、年間数千万円規模のコストを適正化:製造IT導入事例
川崎重工業のロボット事業は、データ活用クラウド「CADDi Drawer」を導入。導入から1年半で、年間数千万円規模のコスト適正化と組織変革の進展が確認できた。
キャディは2025年8月21日、製造業AIデータプラットフォーム「CADDi」の活用事例として、川崎重工業のロボット事業での導入効果を公開した。2023年12月の導入から1年半で、年間数千万円規模のコスト適正化と組織変革の進展が確認できたと説明している。
川崎重工業のロボット事業は、直近10年間で売上が3倍に伸びた。急成長を遂げている反面、業務の一部が属人化し、生産性の伸び悩みといった課題が浮かび上がってきていたという。
そこでデータ活用クラウド「CADDi Drawer」を導入。調達部門の特定業務で70%以上の効率化を達成し、原価を見直すことでコスト適正化を進めた。さらに設計部門では部品の標準化が進み、ある部品群で100点以上あった図面を十数点にまで集約。金型や治具を削減するなどして、コスト低減を図った。
別のシステムに保存されていた情報を一元化したことで検索性も顕著に向上。若手からベテランまで活用が広がり、ジョブローテーション直後の業務に慣れるまでの期間も短縮できた。そうして創出した時間を付加価値の高い戦略的な業務へ再配分できるようになった。
川崎重工業では、CADDiを導入したことで部門連携も進み、部門を超えて課題感を共有できるようになったという。今後はロボット事業での成功事例を横展開して、事業部を超えた会社全体の変革につなげることを目標として掲げている。
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