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日産の軽「ルークス」が全面改良、「エクストレイル」と同じ装備も車両デザイン(2/2 ページ)

日産自動車は2025年秋ごろに発売予定の軽自動車「ルークス」の新モデルを初公開した。

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 軽自動車のユーザーには運転に自信のない人も少なくないため、ミニバン並みの高い視点で前方下方角の視界を確保した。また、ピラーを立てて細くすることで斜め前方の視界も広げた。電動パワーステアリングの進化により、低速での取り回しや据え切りでの操舵力を改善した。また、スタビライザーの剛性向上により、高速での応答性や安定感も高めた。

 ミニバン「セレナ」で分析してきた酔いにくさのメカニズムを基に、新型ルークスも酔いにくさを追求した。具体的には、乗員の体を保持するシートや高剛性ボディーで酔いにつながる揺れを抑えた他、「プラズマクラスター」で酔いやすいにおいを低減する。シートは体圧を分散し、圧迫感によるストレスも軽減するとしている。さらに、後部座席からも外が見渡せるようにした。クルマ自体を揺れにくくするため、高応答のショックアブソーバーも採用した。


室内でも酔いにくさを重視して工夫した[クリックで拡大] 出所:日産自動車

Googleマップがカーナビ並みに

 カーナビを含むインフォテインメントシステムは、従来のディーラーオプションに加えてメーカーオプションの日産コネクトを用意した。GoogleマップやGoogleアシスタント、アプリストアのGoogle Playが利用できる。通信機能は、有料プランに加入するか、ユーザーのスマートフォンとのテザリングで利用できる。Google対応の日産コネクトは海外で採用が始まっている。2025年9月に一部改良するエクストレイルが日本初導入となり、新型ルークスもそれに続いて採用する。

 日産コネクトのGoogleマップはスマートフォンの画面を投影するCarPlayやAndroid Autoとは異なり、車両のセンサーも基にして現在地を把握する。CarPlayやAndroid Autoでは現在地を見失いやすかったトンネルなどGPSを受信しにくい場所にも対応した。


大画面のディスプレイを採用。Google対応の日産コネクトも利用できる[クリックで拡大] 出所:日産自動車

知ってもらうきっかけづくり

 新型ルークスの担当者らは「日産が軽を作っていること自体を知らない人がまだいる」と繰り返し述べた。ルークスの現行モデルを発売したのは2020年3月。コロナ禍の始まりと重なったこともあり、消費者向けのコミュニケーションが難航した。

 車両開発の坂氏は「現行モデルもスライドドアの開口や運転しやすさ、先進装備でも負けていなかったのになぜ勝てないのか。ユーザーには『これが売れているから』という理由で競合を選んでいる人も多い。まずは新型ルークスをいかに知ってもらうかがポイントだと考えている。存在を知ってもらわなければそもそも候補のリストにも載らないのでそこを改善していく。実際に乗ってもらえれば、価値は伝わる」とコメントした。

 商品企画の田中氏は「日産自動車が軽自動車を作っていると言うことを知らない人もいる。どうすれば新たなユーザーにつながっていけるか、魅力だと思ってもらえるかを重視していく。ルークスだけでなく、サクラも含めて『日産の軽』を改めてアピールしていく必要がある」と述べた。なお、新型ルークスは2022年に軽EV(電気自動車)「サクラ」を発売して以来の軽自動車の新モデルとなる。

 新型ルークスは経営再建計画「Re:Nissan」の発表後、初めて登場する新型車だ。日産自動車 日本マーケティング&セールス 執行職の杉本全氏は「日本事業において新型ルークスにかかる期待は大きい。ルークスを皮切りに日本の事業を立て直していきたい。販売店に来る人は、クルマを決める段階がほとんどだ。インターネットで調べられるので、検討中で来店する人は少なくなった。販売店に来てもらうだけでなく、ショッピングモールなどで展示を行い、実際に見てもらう機会を増やしていきたい」と説明した。

新型ルークスの外観[クリックで拡大] 出所:日産自動車

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