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日産の軽「ルークス」が全面改良、「エクストレイル」と同じ装備も車両デザイン(1/2 ページ)

日産自動車は2025年秋ごろに発売予定の軽自動車「ルークス」の新モデルを初公開した。

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 日産自動車は2025年8月22日、同年秋ごろに発売予定の軽自動車「ルークス」の新モデルを初公開した。2020年以来5年ぶりのフルモデルチェンジとなる。メーカー希望小売価格は消費税込みで160万円台から。販売目標は現時点では公開していない。新型ルークスは三菱自動車の水島製作所(岡山県倉敷市)で生産する。

 全面改良に当たっては、Google対応のインフォテインメントシステム「Nissan Connect(日産コネクト)」や、最新のアラウンドビューモニター、大型ディスプレイなど先進装備を充実させた。運転支援システムは、後側方の検知を強化している。また、「スーパーハイト系としては小さく見える」という市場の声に応えて大きさを際立たせる外観デザインとした。運転のしやすさ、乗員の酔いにくさ/疲れにくさなど走りの質にもこだわった。


新型ルークスを公開した[クリックで拡大] 出所:日産自動車
軽規格の範囲内で大きく見せることを重視した[クリックで拡大] 出所:日産自動車

 現行モデルの全グレードで設定していた「スマートシンプルハイブリッド」はコスト上昇と燃費改善効果のバランスを踏まえて廃止したが、エンジンの改良により新型ルークスでも現行モデル並みの燃費を実現する。ハイブリッド廃止で抑制したコストは先進装備に振り向けた。

 既存のユーザーの買い換えだけでなく他社ユーザーの取り込みも狙うが、スーパーハイト系は競合モデルが強く支持されている。「現行モデルもユーザーの評価は高いが、フルモデルチェンジで競合モデルをしのぐポイントを多数用意した。クルマとしては本当に自信を持っているが、それをいかに知ってもらうかが重要だ」(日産自動車 第二製品開発部 車両開発主管の坂幸真氏)とし、マーケティングにも力を入れていく。

キューブに似ている?

 新型ルークスは軽規格の中で大きさを最大限表現するデザインとした。「かどまる四角」というモチーフをヘッドライトやリアコンビネーションランプ、ドアハンドル、ホイール、ヘッドレストやスピードメーターなどに取り入れた。インテリアは、家のリビングルームのように風と光を取り込みリラックスできる空間を目指したとしている。フロントは迫力や威圧感にはこだわらず、フレンドリーでありながら個性的であることを重視した。

「かどまる四角」のモチーフがあちこちに[クリックで拡大] 出所:日産自動車

 室内長や後席ニールーム、荷室長、後席スライドドアの開口幅などは現行モデルと同様に余裕をもって確保した。移動空間としての快適性を向上させるため、エンジンの静粛性を改善した他、ドアやタイヤ回りに遮音シートや高機能吸音材を採用した。

 ボディーカラーには、フードを含めベルトラインの下から塗り分ける独自の2トーンカラーを設定した。1枚のパネルで塗り分けが発生するため、マスキングをしてから2色目を塗装する。ルーフのみを別の色にする2トーンに比べて工程が増えている。

 新型ルークスの意匠はどことなく日産自動車の過去のモデル「キューブ」を思い起こさせる。日産自動車 商品企画部 チーフプロダクトスペシャリストの田中裕樹氏は「キューブを作るつもりはなく、スクエアでボクシーなスタイルを表現しようと作っていったところ、結果的にそうなった。キューブに似ているということで、事前に新型ルークスについて説明した販売店からの印象は良い。キューブと同じように好印象を持ってもらえるのはラッキーだ」とコメントした。

上位セグメントと同じ装備が軽にも

 現行モデルでも「プロパイロット」を採用するなど運転支援は充実させてきたが、新型ルークスはカメラによる視覚のサポートやインテリジェントエマージェンシーブレーキの検知範囲を拡充した。

 新たに採用したインテリジェントアラウンドビューモニターでは、車体の下の映像を生成する「インビジブルフードビュー」、車両周辺の3D映像を表示する「3Dビュー」、見通しの悪い交差点で前方の左右を見えるようにする「フロントワイドビュー」が利用できる。「パトロール」など海外販売モデルや、2025年9月に一部改良する「エクストレイル」などでも採用されている機能を新型ルークスにも搭載した。

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