日新電機は2025年8月21日、グループ会社である日新電機タイの生産能力を大幅に強化したことを発表した。
5面加工機や5軸加工機、ベンディングマシンなど導入
日新電機タイでは、装置部品の受託生産や電力機器の製造、販売を行っている。日本におけるキャパシティーの不足や人材確保の課題に対応するため、2022年から計画的に投資を進めてきた。
引き合いが増加している各装置メーカーからの高難度、高精度案件の大型部材に対応するため、今回、ワークを一度セットするだけで5方向から加工が可能なパレットチェンジャー付き5面加工機を新たに導入した。高い加工精度を実現するとともに生産能力が従来比約2倍に向上したという。さらに5軸加工機の導入も進めている。
自動金型交換機能付きベンディングマシンを2台取り入れ、生産能力を従来比約1.3倍に拡大するとともに、高精度な量産が可能になった。新しいサーボドライブシステムにより、従来のサーボ/油圧ハイブリッド方式と比べて、オイル使用量を約90%削減、さらにアイドリングストップ機能により待機時間の電力消費を大幅に減らし、CO2排出量の削減と環境負荷低減に貢献する。
また、高精度、高速切断加工が可能なファイバーレーザーマシンの導入により、精密な板金部材の加工を実現した。同機は従来設備と比較して3倍以上の切断スピードを持ち、1台で板金部材/パイプ/形鋼が切断できる。さらに高精度な切断加工によって、部材同士を正確にはめ込み固定できるため、溶接用位置決め治具が不要になった。その結果、治具の設計/製作/保管場所の削減、溶接寸法の精度向上、作業時間の短縮につながったという。
3Dプリンタを新たに購入したことで、検査治具や製品の開発/試作が迅速化。インクジェット方式による金属製品用プリンタも取り入れ、金属製品表面への高精細な印刷が可能となり、原版なしで即日印刷を実現した。
日新電機タイでは、次世代のエネルギー分野である核融合発電や宇宙分野への拡大を進めており、これらの分野では、極めて高い精度と信頼性が要求されるため、高付加価値の設備投資に踏み切ったとしている。
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