UFS 4.1対応の車載向けフラッシュメモリをサンプル出荷、最大1TBまで展開:組み込み開発ニュース
キオクシアは、車載機器向けのJEDEC UFS Version 4.1に準拠した、組み込み式フラッシュメモリのサンプル出荷を開始した。最大1TBの容量に対応し、従来製品比で最大約3.7倍の書き込み性能を有する。
キオクシアは2025年7月31日、車載機器向けのJEDEC UFS Version 4.1に準拠した、組み込み式フラッシュメモリ(UFS 4.1製品)のサンプル出荷を開始したと発表した。128GB、256GB、512GB、1TBの4種類を用意し、高性能ストレージによりSDV(ソフトウェアデファインドビークル)のユーザー体験向上に寄与する。
新製品は、第8世代のBiCS FLASH 3次元フラッシュメモリと独自設計のコントローラー技術を採用。同社のUFS 3.1製品と比べ、シーケンシャルリードとランダムリードが約2.1倍、シーケンシャルライトが約2.5倍、ランダムライトが約3.7倍向上した。これにより、システム起動時間の短縮やデータ処理の高速化が期待される。
AEC-Q100/104 Grade2にも準拠し、最大115℃までのケース温度をサポート。車載用途で求められる高信頼性を確保した。また、CBA(CMOS directly Bonded to Array)技術を導入し、電力効率やビット密度が向上している。
UFS 4.0および3.1とは下位互換性を備え、WriteBoosterバッファーのリサイズ機能やPinned Partial Flush Modeにも対応。診断機能を強化し、ベンダー固有のdevice health descriptorでUFSデバイスの内部情報を容易に取得できる。
インフォテインメントシステムやADAS(先進運転支援システム)、テレマティックス、ドメインコントローラー、車載コンピュータなどの次世代車載アプリケーションでの利用を見込む。
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