産業用設備の保全管理を支援するIoTシステム、法定点検など4ソフトで構成:製造業IoT
オリオン機械は、産業用設備の保全管理と遠隔監視に貢献する「オリオンIoTシステム」を公開した。「簡易点検支援ソフト」「FCMC専用稼働データ収集ソフト」「接点状態監視ソフト」「オリオン通信ソフト」で構成されている。
オリオン機械は2025年7月1日、産業用設備の効率的な保全管理と遠隔監視に貢献する「オリオンIoTシステム」を公開した。用途に応じて「簡易点検支援ソフト」「FCMC専用稼働データ収集ソフト」「接点状態監視ソフト」「オリオン通信ソフト」など複数の機能で構成されており、製造現場の多様なニーズに対応する。
簡易点検支援ソフトは、フロン排出抑制法で定められた法定点検の効率化を目的とする。冷媒漏えいの検知や診断記録、稼働データの見える化、運転状態のモニタリングに対応。さらに、保全周期の予測機能により、予防保全への活用が期待される。
FCMC専用稼働データ収集ソフトは、運転、停止状態、警報番号、消費電力、モード状態をCSV形式で保存する。リアルタイムモニター画面を通じて運転状況を把握できるほか、1カ月分の積算電力やCOP(成績係数)をグラフ表示し、保全周期や運転負荷の見える化を支援する。月別集計にも対応しており、年間を通じた消費動向の把握が可能だ。
接点状態監視ソフトでは、無電圧リレー接点の状態を監視、記録し、リアルタイムモニターやブラウザ閲覧ソフトを通じて確認が行える。工場内の設備の異常検知やアラート発信など、現場の即応性向上にも寄与する。
各種機器との通信を可能にするオリオン通信ソフトは、チラーやエアードライヤー、精密空調機などへの対応を提供する。監視データの保存、表示およびグラフ化により、遠隔からの操作、管理を支援する。加えて、三菱電機製PLCとの接続に対応した通信サンプルソフトも提供しており、既存の設備との連携が容易になっている。
同システムは、同社が展開する冷却機器や温調機器、真空機器などの運用データを可視化、分析することで、予防保全の高度化と現場の省力化に貢献する。
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