グリーン冷媒「R1234yf」を採用した冷蔵庫を対象に冷媒ガス漏れ修理を10年無料:脱炭素(1/2 ページ)
フクシマガリレイは、グリーン冷媒「R1234yf」を採用した業務用冷凍冷蔵庫(タテ型/ヨコ型)とキューブアイス製氷機小型タイプを対象に冷媒ガス漏れの修理費を10年間全額保証するサービス「冷媒ガス漏れ10年保証」を2024年4月から開始する。
フクシマガリレイは2024年2月13日、東京都内で会見を開き、グリーン冷媒「R1234yf」を採用した業務用冷凍冷蔵庫(ヨコ型)を同年4月に発売することを発表した。同社では2023年10月からR1234yfを採用した業務用冷凍冷蔵庫(タテ型)とキューブアイス製氷機小型タイプを販売しており、業務用冷凍冷蔵庫やキューブアイス製氷機でのR1234yfの採用は国内では初めてだという(同社調べ)。
併せて、これらの製品を対象に冷媒ガス漏れの修理費を10年間全額保証するサービス「冷媒ガス漏れ10年保証」を同年4月から開始すると公表している。
少ない量でも冷媒が効果を発揮するように凝縮器の能力をアップ
R1234yfは、カーエアコンや自動販売機の冷媒として使用されているノンフロン冷媒で、従来の冷媒と比較して高価だ。特徴は、地球温暖化係数(GWP)が1で、従来冷媒の「R404A(GWPは3920)」や「R134a(GWPは1430)」と比べ、地球環境に優しい。同じノンフロン冷媒の「R600a」や「R290」などの可燃性冷媒に比べ、燃焼性および爆発性が低く、簡易点検を義務化するフロン排出抑制法の対象外だ。取り扱いも簡単で安全で現場での修理にも対応している。
R1234yfの環境影響は大気中に放出された場合でも極めて小さいが、同社では搭載する製品の修理/廃棄作業の際には回収を実施することで環境への影響を最小化する。
同社 製造本部 部長の新名猛氏は「当社では燃焼実験で60gのR1234yfと可燃性冷媒のR600aの冷媒特性を確認した。R1234yfは着火から2秒で燃焼が最大化した後、自己消火した。しかし、R600aは着火から1秒で燃焼が最大化し、衝撃で実験を行った箱の上蓋が跳ね上がった後、自己消火となった」と話す。
業務用冷凍冷蔵庫とキューブアイス製氷機小型タイプにR1234yfを採用するに当たっては、高価な冷媒であることを踏まえて、少ない量でも冷媒が効果を発揮するように凝縮器の能力を上げた。
なお、R1234yfを採用したタテ型の業務用冷凍冷蔵庫は2023年10月から販売されており、2024年3月末までは従来のフロン冷媒を採用したタイプと並行生産し、同年4月以降はR1234yfを採用したタイプなどノンフロンタイプのみを生産する。R1234yfを採用したヨコ型の業務用冷凍冷蔵庫は同年4月に発売予定で、フロン冷媒を備えたタイプは同年末で生産を終える。
R1234yfを採用したキューブアイス製氷機小型タイプは2024年1月から販売されており、従来のフロン冷媒を採用したタイプは2023年12月末で生産が終了している。加えて、キュービックリーチインショーケースの6機種、スライド扉冷蔵ショーケースの6機種も2024年4月からノンフロン冷媒を採用したタイプへ切り替える予定だ。
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