JIMTOF2026はビッグサイト改修中の開催 来場者目標は前回と同じ13万人:JIMTOF2026
日本工作機械工業会と東京ビッグサイトは「第33回日本国際工作機械見本市(JIMTOF2026)の概要を発表した。
日本工作機械工業会と東京ビッグサイトは2025年7月29日、東京都内で記者会見を開き、「第33回日本国際工作機械見本市(JIMTOF2026)」の開催概要を発表した。開催期間は2026年10月26日〜31日の6日間である。同じく6日間だった「JIMTOF2022」と「JIMTOF2024」は火曜日〜日曜日の開催だったが、JIMTOF2026は月曜日から土曜日に変更された。出展申し込み期間は主催者/協賛団体/海外工業会員が2025年10月1日〜31日の1カ月間、国内/海外の一般企業が2025年11月4日〜18日の2週間となっており、公式Webサイトで申し込み可能。前回と比べて一般企業の申込期間が短縮されている。
来場者目標は13万人 一部エリアが使用できない中での開催へ
1962年の初開催以来、60年以上の歴史を誇るJIMTOFだが、2026年度は東京ビッグサイトで行われている大規模な改修工事の影響で、東展示棟の4〜6ホール、全体面積の22%にあたる約2万5000m2が使用できない中での開催となる。
物理的な制約がある中での開催となるが、JIMTOFへの参加意欲は今回も高いと想定をしており、来場者数も前回と同様に13万人を目標としている。一方で小間数や出展社数については、一部エリアが使えないことを考慮して、現時点ではあえて具体的な目標は設定していない。
日本工作機械工業会 専務理事の柚原和夫氏は「出展社が最大限のパフォーマンスを発揮できるように、限られたスペースを最大限に活用して、効率的なレイアウトとスムーズな人流創出に努める」と語る。
JIMTOF2026は、月曜日から土曜日までの会期とし、世界の主要な展示会に合わせる形で日曜日を除き、平日の日程を拡大する。開催期間がJIMTOF2026と同じく6日間だった「JIMTOF2022」と「JIMTOF2024」は火曜日〜日曜日の開催だったが、平日の開催日程を増やすことでより多くの商談機会を創出するとともに、働き方改革の実現や平日来場者の分散も目指す。
JIMTOF2026のキービジュアルは、最先端のモノづくりと次世代に継承されていく技術を折り紙の鳥で表現。多彩な折り紙の鳥達は、工作機械に関連する多様な業界を象徴しており、産業全体がJIMTOFを通じて世界へ、そして未来へと飛躍していく様子を描いている。
柚原氏は「グリーン、デジタル、レジリエンスの3つのキーワードを念頭にカーボンニュートラルへの対応や労働力不足の解消、サプライチェーンの強靭化などの課題に対する具体的かつ最適なソリューションが展示されると考えている。JIMTOFで公開されるソリューションが、製造業の競争力強化と価値創造に貢献し、設備投資の促進や設備ビンテージの若返りを強力に後押しすることを期待している」と述べている。
「AMエリア」は特別併催展から主催者企画へ移行
JIMTOFでは多数の併催プログラムや企画展示が行われている。特別併催展としてJIMTOF2022から開催され、好評を博していた「Additive Manufacturing(AM) エリア」については、出展スペースを確保するために2026年度は特別併催展としては実施しないと発表。JIMTOF2026では、主催者企画の一部としてAMをテーマにした展示を検討している。製造業の未来を担う学生を対象とした企画は継続して実施され、出展者と学生をつなぐ場をJIMTOF2026でも設ける。
JIMTOF2026では、来場者向けのサービスを向上させるために、電子招待券の拡充やデジタルサイネージを活用した会場案内、AI(人工知能)通訳/AI翻訳を活用して海外来場者対応を可能にするなど、出展者/来場者の利便性向上を図る。
また、国際技術展として業界の認知度を向上させるために、国内外での積極的な誘致とWebサイトやYouTubeをはじめとしたSNS、過去来場した人へのメルマガ配信などのデジタルを通じた情報発信、メディアとイベントを通じたPR活動も積極的に行っていく。
東京ビッグサイト 事業推進部長の菊池徹氏は「JIMTOF2026では、主催者の取り組みとして『国際技術ショーとしての魅力向上』『時代のニーズに即した最適な併催企画の実施』『出展者/来場者向けサービスのさらなる充実』の3点に焦点を当てていく。持続的かつ高品質なJIMTOFの開催に向けて取り組む」と抱負を述べている。
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