日産の生産拠点閉鎖は7つのうち5つまで決定、海外初進出のメキシコ工場も対象に:製造マネジメントニュース(2/2 ページ)
日産自動車が経営再建計画「Re:Nissan」の進捗状況と2025年度第1四半期の連結業績を説明。Re:Nissanでは、日本国外に初めて設立した生産拠点であるメキシコのシバック工場の車両生産を同国内のアグアスカリエンテス工場に統合することを決めた。
米国相互関税の影響は年間で4500億円から3000億円に低下
2025年度第1四半期の連結業績は、売上高が前年同期比10%減の2兆7069億円、営業損失が同801億円悪化の791億円、経常損失が同1744億円悪化の1092億円、当期純損失が同1443億円悪化の1158億円。期初予想は、売上高2兆7500億円、営業損失2000億円だったが、1200億円近く赤字幅を圧縮したことになる。これは、固定費の削減が進むとともに、製品保証引当金見積もりの変更による一過性の増益があったためだ。
グローバルの自動車販売台数は前年同期比10.1%減の70万7000台。中国市場が同27.5%と引き続き大幅に減少しており、軽自動車セグメントの競争激化の再燃に加え「日産に対する消費者の信頼が低下した」(日産自動車 CFO ジェレミー・パパン氏)という日本市場も同11.1%の減少となっている。
なお、日産自動車は米国の相互関税の影響について、2025年度の年間で約4500億円と見込んでいた。このほど日米の合意により相互関税率が25%から15%に引き下げられる方針となったことから、相互関税の影響は年間約3000億円に低下する見込みである。なお、2025年度第1四半期の連結業績では、営業損益への687億円のマイナス要因として関税の影響を計上している。
2025年度第2四半期の連結業績見通しは、売上高2兆8000億円、営業損失1000億円。営業損失については、第1四半期の結果から一過性の増益を除いたものと比べてやや改善するとしている。また、2025年度通期の連結業績見通しは、売上高12兆5000億円、グローバルの自動車販売台数325万台で期初予想から変更はない。
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