競争激化の半導体製造装置業界「特許けん制力ランキング」、1位の企業は……:製造マネジメントニュース
パテント・リザルトは、「半導体製造装置業界 他社けん制力ランキング2024」を発表した。2024年12月までの特許審査過程で、他社特許に対する拒絶理由として引用された特許件数を集計した。
パテント・リザルトは2025年6月18日、「半導体製造装置業界 他社けん制力ランキング2024」を発表した。半導体製造装置業界を対象に、2024年12月までの特許審査過程で、他社特許に対する拒絶理由として引用された特許件数を企業別に集計したものとなる。
同ランキングは、2025年5月末時点の権利保有企業名義でランキングを作成。集計の結果、1位は東京エレクトロン、2位はSCREENホールディングス、3位はAPPLIED MATERIALSとなった。
東京エレクトロンは、高いけん制力を見せた。同社の「基板の表面、面取り部および裏面を、1つの洗浄装置で効率的に洗浄できる基板洗浄装置」に関する特許は、SCREENホールディングスの6件の審査過程で引用されるなど、大きな影響を与えた。2024年に東京エレクトロンの特許によって影響を受けた件数は、APPLIED MATERIALSが137件と最も多く、次がSCREENホールディングスの73件だった。
SCREENホールディングスは、「分類性能を向上した画像分類装置」に関する特許技術が最も引用された。東洋製缶グループホールディングスなど3件の審査過程で引用されている。2024年にSCREENホールディングスの特許によって影響を受けた企業は、東京エレクトロンの69件が最も多く、次いでAPPLIED MATERIALSの18件となった。
APPLIED MATERIALSの特許技術で最も引用されたのは、「基板を処理チャンバー間で浮上移動させる基板移送システム」だ。同特許技術は、東京エレクトロンなど7件の審査過程で引用された。2024年にAPPLIED MATERIALSの特許によって影響を受けた企業は、東京エレクトロンが54件と最も多く、次のLAM RESEARCHが47件だった。
4位のディスコは「レーザー加工条件を迅速に設定できる非破壊検出方法」の特許が、5位のアルバックは「成膜装置および成膜方法」が最も多く引用された。
半導体製造装置業界の技術開発競争は激化しており、特許のけん制力は企業の競争優位性を示す重要な指標となっている。同ランキングは、直近の技術開発において競合他社の権利化を阻害する多くの先行技術を保有する企業を明らかにすることを目的とする。
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