半導体物流需要の増大に対応、熊本で全館空調完備の1社専有物流施設開発へ:工場ニュース
日本GLPは、熊本県菊池市において、先進的物流施設「GLP熊本菊池」を開発する。九州経済の成長をけん引する半導体工業団地の近隣に位置し、庫内全館空調完備で温度管理が必要な精密機器などにも対応する。
日本GLPは2025年5月7日、熊本県菊池市において、先進的物流施設「GLP熊本菊池」を開発すると発表した。着工は同年7月、完成は2026年8月末を予定している。
敷地面積は約1万9000m2で、地上2階建ての延床面積は約1万8000m2となる。2層使いのボックス型施設で、効率的な荷物の搬出入作業ができる。1階部分には10トン(t)トラック19台分と4tトラック29台分が接車できる片面バース、庫内には垂直搬送機2台と荷物用エレベーター2台を設置。庫内全館空調完備で温度管理が必要な精密機器などにも対応する。
ハイセキュリティを求める顧客ニーズに応え、1社による専有利用を想定。従業員用の休憩スペースや給湯室、約100台分の乗用車駐車場も整備し、快適な就労環境を提供する。
同施設は、TSMCやソニー、東京エレクトロンなどが集まる半導体工業団地の近隣に位置する。九州経済の成長をけん引する重要地域であり、原材料や部品、精密機械を保管する先進的物流施設へのニーズが高まっている。国道325号線沿いで、新設の自動車専用道路「大津西IC(仮称)」からは約2.8km、熊本空港からは約12km、九州縦貫自動車道「熊本IC」からは約15kmの場所にあり、九州全域をカバーする広域配送の拠点として優れる。
周辺地域では、半導体関連産業の拡大により、インフラ整備が推進されて人口も増加している。半導体や部品などの工業関係品のほか、日用雑貨などの流通、保管需要も高まると見込んでいる。
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