パナソニック コネクトがロボット制御を一元化する基盤を開発、12社と連携:ロボット開発ニュース(3/3 ページ)
パナソニック コネクトは2025年10月から製造や物流の現場へのロボット導入を促進する「ロボット制御プラットフォーム」の提供を開始する。同プラットフォームのパートナーには、ラピュタロボティクス、ファナック、ユニバーサルロボット、DOBOTやロボットSIer/販社など12社が参加する。
高度な自動化を求める顧客には上位システムとの連携サービスも
ロボット制御プラットフォームの提供開始は2025年10月だが、これに先駆ける形で、ブルーヨンダーが提供する「Cognitive Solutions for Execution: Warehouse」など、上位システムとなるWMS(倉庫管理システム)との連携を可能にする「システム連携サービス」の提供を同年6月30日にスタートする。このシステム連携サービスは、WMSなど上位システムとロボット制御プラットフォームをつなぐハブのような役割を果たすことで、人とロボットの協調作業などより高度な自動化を求める顧客の要望に応える。
そして2025年10月には、倉庫における戦略パートナーであるラピュタロボティクスが提供する自動倉庫システム「ラピュタASRS」を、システム連携サービスを介してロボット制御プラットフォームと連携させる共同開発ソリューションの提供を始める予定だ。ラピュタロボティクス 代表取締役CEOのモーハナラージャー・ガジャン氏は「ラピュタASRSは自動倉庫としての生産性の高さだけでなく、既存倉庫への導入が容易なことも特徴になっている」と述べる。
生成AIによる自動プログラミング機能も開発中
パナソニック コネクトは、ロボット導入のハードルをさらに下げていくために、ロボット制御プラットフォームの将来的なサービス強化を検討している。会見では「工程自動化支援サービス」と生成AIによる自動プログラミング機能を紹介した。
工程自動化支援サービスは、現状の運用に関する質問に答えるだけで、ロボットによる自動化の可否や投資対効果について性能、生産性、コストの3点で評価することで可視化する。パナソニック コネクトの社内導入事例では、企画構想から統合/現場検証までのロボット導入工数を半減する効果が得られたという。なお、工程自動化支援サービスは2025年10月に先行評価のためのα版の提供を始める予定だ。
生成AIによる自動プログラミング機能は、工程自動化支援サービスで可視化した内容を基に、ロボット制御プラットフォームのビジュアルプログラミング機能を使って生成AIで最適なプログラミングを自動で行う。現在開発中だが「2〜3年後ではなく、もっと早いタイミングで投入したい」(牛島氏)という。
なお、パナソニック コネクトはロボット制御プラットフォームの採用目標などは明らかにしなかったものの、大手企業だけなく中堅中小企業も含めて幅広い対象に提供していく方針である。また、今後のパートナー企業の目標社数については「国内約300社といわれるロボットSIerのうち3分の1〜半分に早い段階で参加してもらえるように提案していきたい」(牛島氏)としている。
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