歯車製造を工程集約、ニデックマシンツールが切削面取り一体型ホブ盤:工作機械
ニデックマシンツールは、歯車製造工程を効率化する、切削面取り一体型ホブ盤「GE25CF」を発売した。歯車製造の粗工程となるホブ加工と、歯車の両端の面取り、バリ取りを切削加工できる工程集約機だ。
ニデックマシンツールは2025年6月5日、歯車製造工程を効率化する、切削面取り一体型ホブ盤「GE25CF」を発売した。高精度な歯車の製造における生産性向上と自動化、省人化ニーズに対応するために開発された製品となる。
GE25CFは、同社製ホブ盤「GE」シリーズを土台にして、切削面取り機能を追加した工程集約機。歯車製造の粗工程となるホブ加工と歯車の両端の面取り、バリ取りを切削加工できる。
面取りの精度を上げるため、同社製専用工具「ChamferX」を使った創成法の切削除去方式を採用している。従来のフレージング加工などと比べ、歯面や端面の方向への金属素材の2次バリがないため、歯車の高い面品位を確保できる。また、フレージング加工では難しかった歯底部分の面取りや、1mm以上の面取り幅にも対応。ホブ工程で発生するバリの除去も可能だ。
ChamferXは、意図したとおりに面取りやバリ取りができるように最新の工具設計シミュレーションを用いている。工具寿命が長くて工具交換頻度が少なく、再刃付けやリコートといったアフターサービスも同社が提供することから、総合的に見るとランニングコストの低減も見込める。
ワーク交換には、リングローダーを採用。ホブ加工と面取り加工を同時に進めることでサイクルタイムの短縮を図った。機械正面扉の開口部を広くし、操作盤を回転継ぎ手付きにしたことで、操作性やメンテナンス性を向上。さらに、面取り装置ユニット幅をクラス最小レベルに抑え、ラインレイアウトのコンパクト化と工程集約によるオペレーションの自動化と省人化も期待できる。
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