牧野フライス、ホワイトナイト候補から買収提案「合意に向け鋭意交渉」:製造マネジメントニュース
牧野フライス製作所は、ホワイトナイト候補からの提案の状況について発表した。
牧野フライス製作所(以下、牧野フライス)は2025年5月27日、ニデックによるTOB(株式公開買い付け)への対応を検討しているホワイトナイト(友好的買収者)候補からの提案の状況について文書を発表した。
MBKパートナーズから買収提案を受領、合意に向けて依然交渉
ニデックは2024年12月27日、牧野フライスに対して2025年4月4日にTOB(株式公開買い付け)を開始すると予告した。
それ以降、両社の間で質問状のやりとりや面談が行われた一方、牧野フライスは複数の第三者から完全子会社化を目的とした初期の買収意向表明書を受領したとし、比較検討の時間を確保するため、ニデックにTOBの2025年5月9日までの延期を要請した。そして、それより前にTOBを開始した場合、ニデック保有の株式を希釈化する対抗措置を発表していた。
しかし、ニデックは予定通り2025年4月4日にTOBを強行し、牧野フライスは対抗措置の発動を株主総会に付議する決議を行った。ニデックは対抗措置の差し止めを求め、東京地方裁判所に仮処分命令の申し立てを行ったが、地裁は却下。その後、ニデックはTOBの撤回を発表した。
牧野フライスは今回発表した文書で「MBKパートナーズより、当初より株主の皆さまに時間確保措置に基づき確保させていただきたいとお願いしていた期限までに、唯一の法的拘束力を有する買収提案を受領した」と公表。また、ニデックによるTOBを巡って事業が不安定な状況に置かれ、株主や取引先、従業員らに懸念を生じさせているとし、「かかる状況が続く場合には、当社の企業価値に悪影響が及ぶ可能性が否定できないと考えており、MBKパートナーズとの交渉を早期に進め、最終合意に至ることが望ましいと考えている」とコメントした。
ただ、現時点でMBKパートナーズとの合意に至る可能性については、「最終合意に向けて鋭意交渉を続けているが、最終合意に至るまでには不確実性が伴うため、その可能性についての言及は控えさせていただく」と述べた。
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