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自動車用燃料電池システムの世界市場は2032年には54万台に拡大:電動化
矢野経済研究所は、燃料電池システムおよび部材の世界市場の予測について発表した。燃料電池車の需要拡大に伴い2032年の自動車用燃料電池システムの世界市場は54万台に拡大すると見込む。
矢野経済研究所は2025年5月14日、燃料電池システムおよび部材の世界市場の予測について発表した。燃料電池車の需要拡大に伴い2032年の自動車用燃料電池システムの世界市場は54万台に拡大すると見込む。
2024年における自動車用燃料電池システムの世界市場(メーカー出荷台数ベース)は、対前年75.0%の11960台に縮小した。商用車向けは、中国市場における補助金支給の遅延や水素価格の高止まりにより需要が伸びなかった。乗用車向けは、車両や燃料の価格が高いことや水素ステーションの不足が要因となり大きく減速した。
一方、2024年の業務/産業用燃料電池システムの世界市場は、前年比103.6%に拡大したと予測する。データセンター、人工知能(AI)などで世界的に電力需要が増加したことや燃料電池産業への支援策の充実化が寄与した。
2025年以降、乗用車向け燃料電池システム市場は、主要自動車メーカーがFCV(燃料電池車)の新モデルを市場に投入することから、回復基調に転じると予測する。商用車向けでは、中国に加えて欧州や日本でもトラックやトレーラー用の需要拡大が始まり、乗用車向けと比較して高い市場成長率で推移すると予測する。このような背景から、2032年の自動車用燃料電池システムの世界市場(メーカー出荷台数ベース)は54万台に拡大すると見込む。
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