中国や北米におけるギガキャスト/メガキャスト溶接補修で技術連携:車両デザイン
愛知溶業と明和製作所は、ギガキャスト/メガキャストの金型補修分野に関する中国や北米などでの技術連携強化および技術力向上を目指し、両社の技術共有、事業拡大を進めるためのMOUを締結した。
愛知溶業と明和製作所は2025年5月13日、ギガキャスト/メガキャストの金型補修分野を対象とした技術連携についてMOUを締結したと発表した。両社は、中国や北米などでの技術連携強化および技術力向上を目指し、技術共有と事業拡大を進める方針だ。
愛知溶業は、ギガキャスト/メガキャスト金型の補修技術基盤の強化を進めている。その一環として、明和製作所が事業を展開する中国や北米などの成長市場において、技術提供を通じた新たな市場獲得を目指す。
明和製作所は、愛知溶業から「溶接」「加工」「測定」「仕上げ」に関する一貫した補修の知見と、金型の長寿命化を実現する高度な補修技術の提供を受ける。これらを活用し、海外市場におけるサービスの差別化を図る。
両社は、レーザー溶接機器や材料の販売、レンタルによる協力事業を進めている。これにより、成長市場における金型補修体制の強化を図る。また、国際競争力を高めるとともに、持続可能な事業成長を目指す。加えて、本提携で得た海外の技術ノウハウを日本国内でも活用し、「使い続けられる金型」として、適切な補修による長寿命化を進める。
今後は、モビリティ産業の変革に呼応して、単なる技術提供のみならず金型の長寿命化や品質の安定化に向けた協力体制構築を進めていく。また、これからギガキャスト/メガキャスト技術の普及を見越して、国内での受注増加に迅速対応が可能な体制を構築し、金型業界全体への寄与にも努める。
近年では、これまで多くの部品とプロセスを用いて接合していた車体パーツを、1つの部品として一度の鋳造で生産するギガキャスト/メガキャスト技術が登場している。この技術は、中国や北米を中心に自動車業界などのモビリティ産業で急拡大しており、新興国でも導入が進む。これに伴い、金型補修と比較して、より高度な対応力が求められている。
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