日本主導で無人航空機衝突回避システムの国際規格が発行:航空機技術
経済産業省とNEDOが開発、標準化に取り組んだ無人航空機衝突回避システムに関する国際基準(ISO15964)が発行された。無人航空機の実用化に向けた各国の施策が加速されることが期待される。
経済産業省とNEDOは2025年5月8日、同省とNEDOが開発、標準化に取り組んだ無人航空機衝突回避システムに関する国際基準(ISO15964)が発行されたと発表した。無人航空機の実用化に向けた各国の施策が加速されることが期待される。
ISO 15964は、2023年のISO 21384-3:2023(無人航空機の運航手順の規格)改正時に追加された、無人航空機の基本的な衝突回避順序の6ステップ(対象物の探知、ターゲットの認識、回避機動、回避結果の確認、元ルートへの復帰および元ルートでの飛行)を具体化する、衝突回避システムの基本設計を規定している。
無人航空機に設置される、レーダーと光学センサーによる衝突回避システムに関して、それぞれのセンサー機器の役割や探知・認識距離などの要求事項を、ステップごとに定めている。なお、これらの要求事項の規定は、NEDOの「ロボット・ドローンが活躍する省エネルギー社会の実現プロジェクト」(NEDO DRESSプロジェクト)における実証実験の成果や2024年に公開されたISO/TR23267をベースとしている。
一般的に「ドローン」と呼称する小型から中型の無人航空機は、現在、農業分野を中心に利用が拡大しており、今後は災害時における物資運搬や遭難者探索、物流インフラなどへの活用が期待されている。一方、ドクターヘリなどの有人航空機と無人航空機とのニアミス事例が国内で発生しており、衝突の回避方法の構築が無人航空機の安全性確保に向けた切迫した課題となっている。
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