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サムスンの強みも取り込んだ“ほぼ完成品”で新車の開発期間を短縮車載情報機器(3/3 ページ)

ハーマンインターナショナルは車両の開発期間短縮に貢献する「Ready」製品の体験会を開いた。

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グーグルに頼らないアプリストア

 ハーマンはインフォテインメントシステム向けの独自のアプリストアも手掛けている。Android Automotiveにより、グーグルのアプリストアが車内でも使えるが、アプリストアにおいてユーザーが何をダウンロードし、いつ使っているかの情報は自動車メーカーには入ってこない。そのため、アプリのニーズを分析するのが困難になっている。また、有料アプリによる収益を狙う自動車メーカーにとっては、アプリ販売の手数料や、アプリの追加でグーグル側の審査を待つことがネックになる。

 ハーマンのアプリストアは、グーグルなどアプリ販売のプラットフォーム企業を間に挟まず、ハーマンとアプリ開発者が直接やりとりしてアプリのラインアップをそろえている。市場に出ている人気のアプリを中心に150種類以上のアプリを取り扱い、今後も追加していく。日本で人気のアプリもアプリストアに並べていく。


ハーマンのアプリストアでの取り扱い[クリックで拡大]

 ハーマンのアプリストアはユーザーインタフェースを自動車メーカーによってカスタマイズでき、好みのアプリを追加できる。アプリはハーマンの認証システムが審査した上で、自動車メーカーも確認しアプリストアへの掲載を決定するダブルチェックとし、不審なアプリが紛れ込まないようにする。サムスン独自開発の、グーグルに依存しない課金システムとハーマンのアプリストアと組み合わせれば、有料アプリの決済にも対応できる。アプリ販売の収益がより多く自動車メーカーの手元に残る。

 また、ハーマンのアプリストアではどのアプリを並べるかは自動車メーカーが決めることができる。地域ごとに変更することも可能だ。アプリの人気や利用動向を自動車メーカーが把握できるため、今後のインフォテインメントシステムや自社アプリの開発にも生かせる。ハーマンのアプリストアでは、自動車メーカーが独自のアプリを掲載したときに、ストア内に競合するアプリがあればそれを表示させないこともできる。

 車内でテレビや映像コンテンツを見たいという日本特有のニーズにも応える。スマートフォンと車載器を接続するCarPlayやAndroid Autoでは利用できなかったアプリも使用可能だ。

 例えば、テレビ番組や動画を配信するアプリは運転中の安全に配慮して使うことができないが、ハーマンのアプリストアではTVerなどが利用できる。運転中に複雑な操作をさせない、走行中に映像を表示しないといったルールは順守し、後部座席にのみ映像を表示するなど運転に影響しない使い方にコントロールすることで実現する。複数のディスプレイを統合制御するため、アプリ利用の自由度を高められる。

 また、家庭にあるサムスンのスマートテレビで視聴しているものを車内でそのまま見ることができる。テレビもAndroidベースであるのが生かされている。


CarPlayやAndroid Autoでは使用できなかった動画系アプリも利用可能に[クリックで拡大]

複数の車内ディスプレイを統合制御する[クリックで拡大]

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