コクヨ、使用済み割り箸を再利用したオフィス家具の開発をスタート:サステナブル設計
コクヨは、ChopValue Manufacturing Japanと共同で、使用済み割り箸を再資源化した内装材を用いたオフィス家具の開発および実証を開始する。
コクヨは2025年4月22日、ChopValue Manufacturing Japan(以下、ChopValue Japan)と共同で、使用済み割り箸を再資源化した内装材を用いたオフィス家具の開発および実証を開始すると発表した。
企業におけるサステナビリティへの関心が高まる中、オフィス空間でも環境に配慮した製品へのニーズが拡大している。コクヨは2030年までに、グループ全体(海外含む)で取り扱う循環型製品の売上高比率を80%以上にするというマテリアリティ目標を掲げており、今回の取り組みはその一環となる。
ChopValue Japanは、カナダに本社を構えるChopValueの日本法人で、使用済み割り箸を板状の素材に加工し、家具やインテリアへとアップサイクルする循環型ビジネスモデルを展開している。
今回、両社はそれぞれの技術と知見を生かし、日本のオフィス市場に適した循環型製品の実現を目指す。国内で回収された使用済み割り箸を、ChopValue Japanが独自技術によって高品質な内装材へと再生し、これにコクヨのオフィス家具の構造を組み合わせて、デスクやテーブル、ラックなどの製品を開発する。
その第1弾として、使用済み割り箸をリサイクルした内装材(厚さ25mm)を用いたテーブルを試作した。今後は製品化に向けて、機能性や品質、製造方法などの検証を重ね、自然由来の素材を生かした美しい質感と品質の両立を目指す。
今回の取り組みを開始するに当たり、コクヨの働き方の実験場「THE CAMPUS」において、施設内で日々廃棄される割り箸の数量を計測。2025年3月の実験では、1日当たり約260本が廃棄されており、1カ月間で天板1枚分に相当することが確認できたという。
ChopValue Japanの建材製造プロセスでは、廃棄物を低コストで高機能な素材にリサイクルするとともに、CO2の固定化も実現している。接着剤なども環境負荷の少ない材料を使用し、製品のライフサイクル全体における環境負荷の低減を追求している。
今後、両社はオフィスから排出された資源を再利用し、持続可能なサーキュラーエコノミー(循環型経済)の象徴となる製品の創出を目指す。また、コクヨでは割り箸以外の廃材を活用した新素材の開発にも注力し、サステナブルな製品の可能性を広げるとともに、環境性能と実用性を両立させた製品ラインアップの拡充につなげたい考えだ。
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