検索
連載

TPMモデルで技術と価値を「見える化」――受託加工業の事業領域を言語化する間違いだらけの製造業デジタルマーケティング(26)(4/4 ページ)

デジタルマーケティングを実践できている企業はそう多くない。本連載では「製造業のための正しいデジタルマーケティング知識」を伝えていく。第26回は自社の特徴を効果的に伝えるために欠かせない事業領域の「言語化」をテーマに、有効なアプローチを紹介する。

Share
Tweet
LINE
Hatena
前のページへ |       

TPMモデル活用のポイント

 TPMモデルを自社で活用する際には、以下のポイントに留意することが重要である。

現場との連携を強化する

 まずは、現場で働く技術者や営業の意見を反映し、実際に「何ができるか」を正確に把握することが不可欠である。現場での実績や成功事例をフレームワークに反映させることが求められる。

定期的なアップデートを実施する

 技術や設備は常に進化しているため、TPMモデルも定期的に見直し、最新の情報が反映されるよう運用することが大切である。

全社的な共有を徹底する

 フレームワークの内容を社内全体で共有することで、マーケティング、営業、広報、さらには経営層までが同じ情報基盤に基づいた戦略を展開できるようになる。

外部への発信方法を多角化する

 Webサイト、SNS、展示会、パンフレットなど、複数のチャネルでTPMモデルに基づく情報発信を行い、ターゲットとなる顧客層に合わせたコミュニケーション戦略を策定することが望ましい。

TPMモデルで未来の可能性を切り開く

 受託加工業における競争は、自社の事業内容をどれだけ正確に、多様な切り口で伝えられるかが、今後の成長の鍵である。

 TPMモデルは、技術(Technology)、機能/パフォーマンス(Performance)、市場(Market)の3つの軸で自社を再定義し、事業内容を言語化するための効果的なツールである。

 このフレームワークを活用することで、社内の情報共有がスムーズになり、営業/マーケティングの現場において顧客への説得力が格段に向上する。また、新たな市場や用途開発への挑戦にもつながり、企業全体の戦略的な成長を促す原動力となる。

 今や加工業界においては「言語化」こそが信頼と新規ビジネスを生み出す鍵である。自社の技術力と現場の実績をTPMモデルで見える化し、これまで以上に多くの顧客にアプローチすることで、今後の競争に大きな優位性をもたらすと考える。

 TPMモデルを受託加工業のマーケティング戦略の核として取り入れることを強く推奨したい。

記事のご感想はこちらから
⇒本連載の目次はこちら

筆者紹介

小林正道
テクノポート株式会社 取締役

製造業のWebマーケティング支援を15年以上行っている。製造業への訪問実績は2000社を超える。幅広い加工知識と市場調査を基に、製造業の新規開拓営業の支援を行う。
マーケティングスキル×Webスキル(SEO中心)×製造業知識
この3つのスキルを組み合わせることで独自の専門領域を作り、限られた分野で卓越した力を発揮する。
日本工業大学技術経営学修士(MOT)2023年3月卒業。


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

前のページへ |       
ページトップに戻る