ニュース
PLCのリアルタイム性を確保するために商用リアルタイムOSとライブラリを採用:組み込み採用事例
ユビキタスAIの商用リアルタイムOS「TOPPERS-Pro」が、ジェイテクトエレクトロニクスのPLC「CLICK PLUS System」に採用された。Linuxとのリアルタイムな通信や高精度な時間管理が可能になった。
ユビキタスAIは2025年3月5日、同社の商用リアルタイムOS「TOPPERS-Pro」が、ジェイテクトエレクトロニクスのPLC(プログラマブルコントローラー)「CLICK PLUS System」に採用されたと発表した。
ジェイテクトエレクトロニクスが同年2月26日に発売したCLICK PLUS Systemは、ユビキタスAIのリアルタイムOS「TOPPERS-Pro/ASP3」と、コア間およびOS間の同期通信ライブラリ「TOPPERS-Pro MDCOM」を搭載している。
TOPPERS-Pro/ASP3は、組み込みシステム向けのリアルタイムOSで、μITRON仕様を拡張、改良するように開発された。μ秒単位での時間管理に対応し、ティック割り込みなしで動作するなど、μITRON仕様よりも時間を高精度に管理できる。
ジェイテクトエレクトロニクスはPLCシステムの開発に当たり、Linux上でNode-REDが稼働する際のリアルタイム性を確保する必要があった。そのため、マルチコアやマルチOSに関するノウハウを持つユビキタスAIと協業。TOPPERS-Pro MDCOMを採用してサポートを受けたことで、LinuxとTOPPERS-Pro/ASP3とのリアルタイムな通信が可能になった。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
IoTシステムの開発はなぜ難しいのか、ITと組み込みの相克を克服せよ
IoT/クラウドロボティクス時代のシステム開発を加速化する仮想環境の活用について解説する本連載。第1回は、IoTのシステム開発/サービス構築の難しさや、その原因になっているIT分野と組み込み分野の相克について紹介する。日本の伝統を受け継ぐ仮想環境「箱庭」でIoTシステムの統合開発を加速する
IoT/クラウドロボティクス時代のシステム開発を加速化する仮想環境の活用について解説する本連載。第2回は、IT分野と組み込み分野の相克を乗り越えて、IoTのシステム開発/サービス構築をスムーズに進めるための「箱庭」を紹介する。組み込みエンジニアも知っておきたい「クラウドネイティブ」とは
IoT/クラウドロボティクス時代のシステム開発を加速化する仮想環境の活用について解説する本連載。第3回は、IT分野で浸透してきている「クラウドネイティブ」という考え方とその狙い、支える技術などについて紹介した上で、組み込み分野におけるクラウドネイティブの可能性について説明する。クラウドネイティブで実現する、シミュレーションと実機テストのボーダーレス開発
IoT/クラウドロボティクス時代のシステム開発を加速化する仮想環境の活用について解説する本連載。第4回は、前回紹介した「クラウドネイティブ」の考え方に基づき、製品開発の課題になっている、シミュレーション環境と実機テストの間にあるギャップを埋める方法を紹介する。京都マイクロの「SOLID」がRISC-Vに対応、TOPPERSベースの64ビットRTOSを採用
京都マイクロコンピュータが、「EdgeTech+ 2024」において、ソフトウェア開発プラットフォーム「SOLID ver.4.0」を披露。これまでのSOLIDはArmの「Cortex-Aシリーズ」向けだったが、新たにRISC-Vに対応したことを特徴とする。LinuxおよびリアルタイムOSとTEEを共存、同時動作する技術を開発
ユビキタスAIは、TOPPERSプロジェクトが開発した組み込み機器向けデュアルOSモニタ「SafeG64」を機能拡張し、LinuxおよびリアルタイムOSとTEEを共存、同時動作させる技術を開発した。