半導体チップのナノスケール欠陥を分析、AI活用の電子ビーム装置を発表:FAニュース
Applied Materials(アプライド マテリアルズ)は、半導体チップのナノスケールの欠陥を分析できる電子ビーム装置「SEMVision H20」を発表した。数十億ものナノスケール回路パターンに潜在する微細な欠陥を、的確かつ迅速に分析できる。
Applied Materials(アプライド マテリアルズ)は2025年2月19日(現地時間)、半導体チップのナノスケールの欠陥を分析できる電子ビーム装置「SEMVision H20」を発表した。
SEMVision H20は、高感度な電子ビーム技術とAI(人工知能)画像認識を組み合わせた電子ビームイメージング装置だ。サブナノメートルレベルの高解像度で、数十億ものナノスケール回路パターンに潜在する微細な欠陥を、的確かつ迅速に分析できる。
電子ビームイメージングには、室温で動作し、より狭いビームでより多くの電子を照射できる独自のCFE(コールドフィールドエミッション)技術を採用している。従来のTFE(サーマルフィールドエミッション)技術と比較してナノスケール解像度が最大50%向上し、イメージング速度は最大10倍高速化する。
SEMVision H20では、第2世代のCFE技術を活用。イメージングの高速化により各ウエハー上のカバレージが拡大し、一定量のデータ収集にかかる時間を3分の1に短縮する。
また、ディープラーニングAIイメージモデルの活用により、疑似欠陥と真の欠陥を区別して自動抽出できる。独自のディープラーニングネットワークは、半導体製造工場から取得したデータを継続的に学習しており、欠陥を空隙、残渣、スクラッチ、パーティクルなどタイプ別に分類することで、正確かつ効率的な欠陥特性評価ができる。
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