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100億円投資の新工場稼働で光ファイバーリボンの生産能力増へ、需要拡大に対応:工場ニュース
千葉県の佐倉事業所内に建設したフジクラのSWR新工場が稼働を開始した。SWRは同社独自の細径高密度型光ファイバーケーブル内に実装する間欠固定型光ファイバーリボンで、約30%の生産量増加が見込まれる。
フジクラは2025年2月18日、千葉県の佐倉事業所内に建設したSWR(Spider Web Ribbon:間欠固定型光ファイバーリボン)の新工場が稼働を開始したと発表した。
新工場の建屋面積は約3000m2で、投資額は約100億円。同社独自のWTC(Wrapping Tube Cable:細径高密度型光ファイバーケーブル)内に実装するSWRを生産する。新工場が稼働開始したことで、光ファイバー長ベースで約30%の生産量増加が見込まれる。
生成AI(人工知能)の進展により、近年データトラフィックが急増し、大容量高速通信や低遅延通信への要求が高まっている。各国では光ブロードバンドやデータセンターの整備が進み、今後も継続的な需要が見込まれることから、同社では光ファイバーケーブルの生産能力を強化する。
新工場では自社開発の製造装置やものづくりDX(デジタルトランスフォーメーション)を活用し、生産能力の強化だけでなく、高い品質と生産性も追求する。GX(グリーントランスフォーメーション)技術も積極的に取り入れ、同社初となるカーボンニュートラルを目指す。
同社は同月17日に新工場の開所式を行った。
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