実装化に向けてロボットタクシーのプレサービス実証をお台場と西新宿で実施:自動運転技術
ティアフォーは、ロボットタクシーの実装化を目的に、2024年11月にお台場、12月に西新宿においてロボットタクシーのプレサービス実証を実施した。
ティアフォーは2024年11月にお台場、同年12月に西新宿において、ロボットタクシーの実装化を目的としたロボットタクシーのプレサービス実証を実施した。同実証は、2024年8月に採択された経済産業省の令和5年度補正予算「モビリティDX促進のための無人自動運転開発・実証支援補助金」における自動運転移動サービス用車両開発事業を進めるために実施した。
同社の自動運転システムを搭載した車両を、お台場と西新宿の特定区域で走行させた。そこで、交差点の右左折や路上駐車車両の回避など、約500種類のシナリオを評価した。想定外の運行設計領域になった場合には必要に応じて自動運転を運転手に切り替えながら、安全確保を優先して実証を進めた。その結果、混雑した走行環境に対しても既存の運行設計領域を適応、拡張可能なことが判明した。広域の自動運転に必要な技術課題も洗い出せた。
お台場では、利用者が目的地を音声入力で指示し、東京テレポート駅近辺を中心に走行した。乗車1回の平均走行距離は約3km、総走行距離は約354kmであった。また、試乗後のアンケート調査にてロボットタクシーのサービスの改善点を確認した。西新宿では、利用者は配車アプリで7つの目的地から1つを選び、定められたルートを走行した。乗車1回の平均走行距離は約3km、総走行距離は約622kmであった。
今回の実証の成果を同社のロボットタクシー用レファレンスデザインに落とし込み、自動車業界の関連企業に提供していく。これにより、ロボットタクシーに適合した車両開発や製造の参入障壁が低くなり、さまざまな自動車メーカーがロボットタクシーの市場に参入しやすくなる。
同社は、2027年度までに、ロボットタクシーを新たに導入する地域に対してレファレンスデザインを使うことで3カ月以内にロボットタクシーの運用を開始可能なサービスモデルを作り上げ、全国各地におけるロボットタクシーの実装化に寄与していきたいとしている。
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