ニュース
自社拠点で再エネの循環型システムを実証、超軽量太陽光パネルを設置:脱炭素(2/2 ページ)
OKIクロステックは再生可能エネルギーの循環型システムの実証を開始したと発表した。同社拠点であるリペアセンターに太陽光発電やEVの充電設備、蓄電池を導入した。
太陽光パネルは中国のサンポートパワー製だ。ガラス系の太陽光パネルと同等の発電効率を持つ。ガラスを使わないため反射率は10分の1以下で、近隣への太陽光の反射を抑制できる。また、ガラス不使用のため太陽光パネルの同一面積当たりの重さは4分の1と軽量で、屋上などの耐荷重の課題がクリアしやすい。太陽光パネルが割れた場合は上から新しいパネルを重ね貼りすることで使用を継続できるという。
太陽光パネルは強力な接着剤で取り付ける。従来ボルト留めしていた金属フレームなど汚れがたまりやすい部品をなくし、清掃コストを低減する。重い架台も不要だという。ガラスだけでなく鉛やイリジウムも使っていないため、分解による分別は不要だとしている。接着工法による太陽光パネルの設置は、20年間の施工保証も提供する。撤去する場合は、20〜25年使った後で屋根材や外壁と一緒にはがすことを想定している。
社有車のEVは合計3台で、充電器の保守サービスでの動作確認にも使用する。EV用充電器は通勤用マイカーにも有償で開放する。
今後はリペアセンターに導入した設備の発電量をエネルギーマネジメントシステムで把握しながら、EVとの組み合わせによる付加価値の創出や、停電/災害を想定したシミュレーションを進める。データの活用やAI(人工知能)との連携などの要望にも対応したい考えだ。リペアセンターと同等のソリューションは社外にも提案中だが、ニーズに応じて部分的な設置にも対応する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
アイシンが可搬型の燃料電池発電機を開発、ガソリン発電機と比べて重さは3分の2
アイシンは、小型で静粛性の高い「可搬型FC発電機」を開発した。燃料電池(FC)を用いているので、発電時にCO2や有害なガスを排出せず、静粛性も高い。同出力帯のガソリン発電機と比較して重量も約3分の2に軽量化している。工場の高温排ガスからkW級の熱電発電、ヤンマーがメンテフリーのシステムを開発
ヤンマーホールディングスは、「ENEX2025」において、工場などで排出される高温ガスの熱エネルギーに独自の熱電変換技術を適用してCO2フリーで発電する熱電発電システムを展示した。旭化成が倉敷市の下水処理場でゼオライト系CO2分離回収システムの実証をスタート
旭化成と倉敷市は、岡山県倉敷市で同社のゼオライト系CO2分離回収技術を使用したバイオガス精製システムの性能評価と実証に向けて、同システムを倉敷市児島下水処理場に新たに設置した。微生物の生存性を管理し土壌中からの温室効果ガス排出量を削減する基盤技術を確立
NTTと明治大学 農学部 准教授の島田友裕氏の共同研究グループは、土壌中における微生物の生存性を決定付ける遺伝子の特定を目的に、大腸菌をモデル微生物として用いて、土壌中における長期生存性に貢献する複数の遺伝子を世界で初めて特定することに成功した。自動車などの脱炭素化につながる「グリーン鉄」、市場拡大のカギは
経済産業省は「GX推進のためのグリーン鉄研究会」の取りまとめ結果を発表した。物流問題の解決に向けて異業種間でラウンド輸送を開始
アイシンは、物流の2024年問題への対応の一環として、工場から名古屋港にオートマチックトランスミッションなどの製品を輸送した後の復路にてヤマト運輸の荷物を輸送するラウンド輸送を1月7日より開始した。