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ストップ! 外注丸投げ――CAE解析や冷却系の設計を自分でやれるようになろうCAE解析とExcelを使いながら冷却系設計を自分でやってみる(1)(2/3 ページ)

CAE解析とExcelを使いながら冷却系の設計を“自分でやってみる/できるようになる”ことを目指す連載。連載第1回では、冷却系設計に関する題材をいくつか紹介し、本連載で取り上げるトピックスについて整理する。

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3.ダクト配管

 熱い流体、あるいは冷たい流体をダクト配管に流す際は、図5のように断熱材を配管に巻き付けるのが一般的です。

断熱材が巻かれた配管
図5 断熱材が巻かれた配管[クリックで拡大]

 熱い流体が流れているときは熱を逃がさないために断熱材を使うのですが、熱が逃げる量(断熱材表面からの放熱量)を予測して断熱材の厚さを決めなければなりません。また同時に、断熱材表面温度を求める必要もあります。

 一方、冷たい流体を流す場合は、裸の配管のままだとほぼ結露するため断熱材を巻く必要がありますが、このときも断熱材表面の温度を予測し、露点と比較することになります。本連載では、このようなダクト配管の設計も取り上げます。

4.電源につながれた導体

 図6電源につながれた導体を示します。これだとショート状態ですよね。ひとまずショートではなく、どこかに負荷がつながっているとお考えください。

電源につながれた導体
図6 電源につながれた導体[クリックで拡大]

 ここでの問題は「導体に何A(アンペア)流せるか?」です。電流が大きいと導体が発熱して絶縁被覆が溶けたり、燃えたりします。今、絶縁被覆がダメージを受けないギリギリの電流値が見つかったとします。このとき、電流値を2倍にしたいと思ったら、導体断面積は2倍、つまり導体径は√2倍でよいのでしょうか。電線便覧を買えば分かることですが、どうやら断面積2倍ではないようです。この理由についても本連載の中で調べてみることにします。

5.サーボモーター

 図7はどこにでもあるサーボモーターです。ボディーはどうやらアルミダイカストでできており、黒く塗装されています。また、一般的な誘導モーターのようにボディーにひだひだが付いたものもあります。サーボモーターの材質と色、形状はどのような理屈で決められているのでしょうか。本連載の中で考察してみます。

サーボモーター
図7 サーボモーター[クリックで拡大]

6.蒸着装置のヒーター

 ある部品に金属の薄い膜を貼り付ける需要はいろいろとあり、真空中で金属を蒸発させて貼り付けます。この加工を「真空蒸着」といいます。筆者は学生時代に透過型電子顕微鏡の試料作りで蒸着装置を使ったことがあります。本連載の中で、蒸着装置のヒーターの設計に挑戦します。図8に蒸着装置の例を示します。

蒸着装置の例
図8 蒸着装置の例[クリックで拡大]

 お皿に溶かしたい金属を載せてヒーター(図示していません)で温めます。金属を蒸発させるので高温が必要で、ヒーターの容量も大きくなります。お皿を2000[K]以上に加熱することもあります。支えはお皿を固定するためのものです。ここでの問題は、お皿を2000[K]まで加熱させるのに要するヒーターのW(ワット)数となります。

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