パッと周囲を明るく照らす「LEDライト」の仕組み:100円均一でモノの仕組みを考える(7)(3/4 ページ)
本連載「100円均一でモノの仕組みを考える」では、実際に100円均一ショップで販売されている商品を分解、観察して、その仕組みや構造を理解し、製品開発の過程を考察します。連載第7回のお題は「LEDライト」です。
重要となる基板と筐体の位置関係
このような基板を用いた筐体では、基板と筐体の位置関係が重要となります。例えば、今回の製品でいえば、
- 電池端子の位置関係
- スイッチとボタンの位置関係
などは、特に押さえておきたいポイントとなります。以降で解説します。
電池端子の位置関係
電池端子は、乾電池のサイズに合わせて設定する必要があります。電池端子はスプリング状になっており、たわみますので大きなクリアランスを持っています。しかし、乾電池の長さよりも端子間の距離が広ければ乾電池がうまく通電しませんし、乾電池の長さよりも端子間の距離が狭ければ乾電池をはめ込むことができません。
今回の場合、電池端子は基板に直接ハンダ付けされているので、基板の幅が電池端子の幅であり、“基板が乾電池に最適な幅”になっていることになります。
本稿で題材としたLEDライトは基板に直接端子が付いていますが、端子と基板を配線でつなぐこともあります。配線を用いる場合であれば、基板は乾電池の大きさに依存しません。
ちなみに、今回題材としたLEDライトは乾電池から電力を供給していますが、製品によってはUSBなどから電力を供給するものもあります。そのような製品の場合、USBコードが差し込みやすい位置にコネクターを設計しなければなりません。
スイッチとボタンの位置関係
基板に実装されているスイッチを押すことで、LEDが点灯します。製品としては、この基板に実装されているスイッチを直接押すわけではなく、筐体としてボタンが用意されており、そのボタンを押すことで基板のスイッチが押されてLEDが点灯します。
ここで重要となるのが、筐体のボタンと基板のスイッチとの位置関係です。平面で見たときにズレているのは論外ですが、断面方向の位置関係も非常に重要となります。筐体のボタンと基板のスイッチが離れていても、近過ぎても成立しません。
また、基板のスイッチは“クリックする(押し込み)量”が決まっていますので、筐体のボタンは適切な量だけ基板のスイッチが押せる構造である必要があります。
今回題材にしたLEDライトの場合は、透過プレートがたわむことでボタンが押し込める構造になっていました。なお、世の中にはボタンを押すタイプのLEDライトの他にも、暗くなったり、人が近づいたりすると点灯するセンサー式のものもあります。
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