パッと周囲を明るく照らす「LEDライト」の仕組み:100円均一でモノの仕組みを考える(7)(2/4 ページ)
本連載「100円均一でモノの仕組みを考える」では、実際に100円均一ショップで販売されている商品を分解、観察して、その仕組みや構造を理解し、製品開発の過程を考察します。連載第7回のお題は「LEDライト」です。
LEDライトの構造を詳しく見ていく
製品の画像と説明文だけでは少し分かりづらいので、図3に簡略化した断面を示します。
電池カバーを外すと、ロアカバーに乾電池をはめるための“へこみ”があります。このへこみ(本稿では「電池はめ込み部」とします)ですが、乾電池を使った製品であれば特に珍しいものではありません。電池はめ込み部の両側には乾電池を通電するための端子が付いており、基板につながっています(図4左)。
今回取り上げたLEDライトの場合、乾電池を3本使用していますが、その全てが基板とつながっているわけではありません。実際に基板とつながっているのは、端の−(マイナス)極とその逆側の+(プラス)極となり、電池3本を直列に接続して通電しています(図4右)。
ロアカバーの内側には、基板(ロアカバーと同じ色のため、少々分かりづらいですが)が取り付けられています。この基板にLED、電池端子、ON/OFFスイッチといった必要な部品が実装されています。
電池端子は、基板に直接ハンダ付けされています。これにより、電池の電力が基板へと供給されるようになります。また、ここでのハンダ付けはロアカバーに基板を締結する役割も担っています。なお、基板の締結にはボルトを用いたり、筐体自体にツメなどのはめ込み形状を設計して対応したりする場合もあります。
LEDは円状に16点配置されています。LEDの上にはドーナツ型の黄色のシートが貼られています。このシートは「拡散シート」といって、光量の均一化を図る役割をしています。通常、直下型で輝度を上げようとすると、LEDがつぶつぶ状に見えてしまいますが、拡散シートを貼ることで光を拡散し、均一な面発光の効果を得ることができます。
この円状にレイアウトされたLEDの中心には、スイッチが配置されています。スイッチを押すことでLEDのON/OFFを制御します。基板にはその他にも制御部品が実装されていますが今回は割愛します。
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