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1回の計測のみで振幅像を得られるレンズレス顕微鏡技術を開発研究開発の最前線

東北大学は、レンズレス顕微鏡技術のコヒーレント回折イメージングによる1回の計測で、光の吸収分布を表す振幅像を取得する技術を開発した。位相像と振幅像の両方で約30nmの分解能を達成しながら、振幅像の計測時間を60分の1以下に短縮できる。

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 東北大学は2024年12月16日、レンズレス顕微鏡技術のコヒーレント回折イメージングによる1回の計測で、光の吸収分布を表す像(振幅像)を取得する技術を開発したと発表した。位相像と振幅像の両方で約30nmの分解能を達成しながら、振幅像の計測時間を60分の1以下に短縮できる。

 今回開発した位相誘導振幅再構成(Phase-Guided Amplitude Reconstruction:PGAR)は、光波の進み具合を表す位相像により、計算機による位相回復計算を補完する技術だ。振幅像と似た構造を示す位相像の情報を、ガイド付きイメージフィルタ処理(Guided image filtering)で伝達し、1枚の回折強度パターンから高分解能な振幅像を再構成する。

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位相誘導振幅再構成の流れ[クリックで拡大] 出所:東北大学

 実証実験では、PGARによる再構成像が、121枚の回折強度パターンから導き出したタイコグラフィと同等の定量性を示すことを確認した。また、錫・ビスマス(Sn-Bi)合金粒子の観察では、計測時間5秒で1枚の回折強度パターンから振幅像を得ることに成功。56枚の回折強度パターンを用いたタイコグラフィでは、5分8秒かかった。

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従来手法と開発手法(PGAR)の性能比較。(左)テスト試料の観察結果(右)Sn-Bi合金粒子の観察結果[クリックで拡大] 出所:東北大学

 高分解能かつ短時間で正確な振幅像を得られるPGARにより、材料内部で進行する化学反応のリアルタイム観察が可能となる。電池や触媒内部における化学反応の動的観察への応用が期待される。

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