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ロシア製ガイガーミューラー管の実力はいかに注目デバイスで組み込み開発をアップグレード(25)(2/2 ページ)

注目デバイスの活用で組み込み開発の幅を広げることが狙いの本連載。前回から自作ガイガーカウンターのつぶやきbot「imaocande」をよみがえらせる取り組みをスタートさせたが、今回は新たに作製する「imaocande2」に使用する予定の新たに入手したガイガーミュラー管の特性と動作原理について深掘りする。

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GM管の動作原理

 図3を使ってGM管の動作原理を説明します。

図3
図3 ガイガーミュラー管の回路構成

 Cの形状で描かれている部分がGM管です。アノードとカソードがつながっています。カソード側はグランド(GND)に落とします。アノードには抵抗R1を介して高電圧(HV)を印加します。抵抗値は数M〜数十MΩなので、電圧は高いのですが流れる電流はわずかです。

 今回紹介するGM管の場合、印加する電圧は400V前後の直流です。GM管の中に放射線が飛び込むと管内に封入されたガスが電離しアノードとカソード間が導通します。放射線が入射するとアノードの電圧が一瞬下がるので、それがコンデンサーを介してOUT端子に出力信号として伝わります。このままでもクリスタルイヤフォンあるいはピエゾ系などの高インピーダンスのレシーバーをつなげば「ポツ、ポツ」という検知音を確認できます。

 また、GM管の出力信号をマイコンなどのデジタル回路に入力するためには何らかの波形整形回路が必要になります。

インターネットに線量をつぶやくまでのブロック図

 図4は、GM管による放射線検出からインターネット上でつぶやくまでのプロセスをモジュールに分けて構成したブロック図です。

図4
図4 インターネットに線量をつぶやくまでのブロック図[クリックで拡大]

昇圧回路

 GM管を動作させるためには直流の高電圧が必要です。昇圧回路によって、10V前後のバッテリーなどからGM管が必要な数百Vの直流高電圧を発生させます。(1)は直流の高電圧です。

GM管

 直流の高電圧をかけた状態のGM管に放射線が照射されるとパルスを発生します。(2)はGM管が出力したパルスです。

波形成型回路

 このブロックでは、GM管が出力したパルスを後続のブロックが処理しやすいように波形を整形します。後につなげる機器は主にデジタル回路になるので、それらに適した波形にします。(3)は多くの場合デジタル波形となります。

計数装置

 計数装置は届いたパルスを所定の方法でカウントし、前回記事でも紹介したjson形式のフォーマットにします。ということで、(4)はjson形式のデータになります。

通信装置

 受け取ったjson形式のデータを、送信先とやり取りしながら適切なプロトコルで通信経路に送り出します。イーサネットだったりWi-Fiだったりしますがimaocandeの仕事の範囲はここまでです。(5)はインターネットまでの通信経路ということになります。

インターネット

 ここはSNSだったりサーバだったりクラウドだったりします。imaocandeのデータを受け取ってインターネット上で情報を共有するハブの役割を果たします。

おわりに

 今回はGM管について深掘りしました。GM管が放射線を検出してからインターネットにつぶやくまでの各モジュールを作っていく予定です。今後進捗がありましたら本連載で報告できればと思います。

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