「混流」と「自動化」で冷蔵庫の生産効率を3割向上、リサイクルにも技術を反映:日立GLS栃木事業所レポート(後編)(3/4 ページ)
日立グロバールライフソリューションズ(日立GLS)が栃木事業所内にある冷蔵庫生産ラインと、同社傘下で家電リサイクル事業を担う関東エコリサイクルのリサイクル工場を報道陣に公開。後編では、栃木事業所の冷蔵庫生産ラインや安全体感センター、関東エコリサイクルのリサイクル工場の取り組みについて紹介する。
座学だけでは分からない、体験を重視する安全体感センター
ここまで紹介してきたように、日立GLSの栃木事業所の冷蔵庫生産ラインでは自動化が進んでいるものの、組み立て作業を中心に多くの従業員がモノづくりを支えている。
工場の生産効率を高めることは重要だが、それ以上に大切なのが従業員の安全の確保である。油圧や電動などの大きな力を使う生産ラインは、取り扱いを少し間違えるだけで従業員にとって危険な事態が発生し得る環境だ。そこで、栃木事業所では工場内に安全体感センターを設けており、単なる座学だけではなく工場内で起こり得る危険を体感できる設備が用意されており教育効果を高めている。
基本的には製造業務に従事する全従業員の入社時に行う安全体感教育で用いているが、その後も年1回のペースで継続して安全体感教育を受講することが義務付けられている。
例えば、マネキン人形の服装を見て工場内での服装のルール違反を指摘させたり、テープカッターや薄板鉄板の切創体感、低電圧での感電体感、発泡スチロールを使ったチェーン巻き込まれ/挟まれ体感、階段/コンベヤーによる転倒体感、溶剤爆発体感などの設備を使って体験したりできるようになっている。
栃木事業所の工場では多くの外国人が勤務している。安全体感教育で使用する言語も日本語だけでなく、英語をはじめとする多言語での対応が必要になってくる。安全体感センターには、工場内で掲示している多言語対応の安全心得や安全表示がまとめられていた。
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