「混流」と「自動化」で冷蔵庫の生産効率を3割向上、リサイクルにも技術を反映:日立GLS栃木事業所レポート(後編)(2/4 ページ)
日立グロバールライフソリューションズ(日立GLS)が栃木事業所内にある冷蔵庫生産ラインと、同社傘下で家電リサイクル事業を担う関東エコリサイクルのリサイクル工場を報道陣に公開。後編では、栃木事業所の冷蔵庫生産ラインや安全体感センター、関東エコリサイクルのリサイクル工場の取り組みについて紹介する。
ロボットによる品質向上と自動化を推進、日立グループ内で3年連続表彰も
冷蔵庫の断熱性能で重要な役割を果たすのが外板と内箱の間に注入される発泡ウレタンだ。「外箱発泡」では、発泡圧力による変形を防止するための発泡金型に外板に取り付けた内箱を挿入、固定してからウレタン原液を注入し、発泡/固化させる。この工程も自動化されているが、断熱性能を左右する発泡金型の生産技術部が適切に管理しており、品質低下を起こさないようにしている。なお、冷蔵庫における「外箱発泡」の技術が、エコキュートの貯湯ユニットのウレタンクに横展開された。
外箱のライン投入に採用している産業用ロボットは、品質の確保や、2階で行っているより精緻な生産の自動化でも利用されており、総導入台数は90台に上る。
冷凍サイクル部品を組み付ける「サイクル組立」では、銅パイプなどの配管に防食シール材を塗布するヘルメシール塗布の工程を3Dセンサーとロボットで行っている。従来は人による作業で行われていたが、混流生産の中でも品質を維持することが容易であるとともに省人化にもつながるため導入した。
「扉取付」の中でも作業の難易度が高い、野菜室や冷蔵室などの引き出し扉の枠締め付け、冷蔵庫本体への組み付けもロボットによる自動化を図っている。引き出し扉に枠を取り付けてからロボットでねじ締めを行い、適切な角度で挿入することが求められるが冷蔵庫本体への組み付けもロボットで行っている。
なお、これらロボット導入による自動化システムは、栃木事業所の生産技術部が内製で開発したものだ。これらの成果は直近3年連続で、日立グループ内の生産改善の表彰を受けているという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.